ビジネス

媚中ビジネス続ける日本企業 二等国の烙印を押されかねない現状

ユニクロは中華圏の売り上げがすでに日本国内を上回っているという(時事通信フォト)

ユニクロは中華圏の売り上げがすでに日本国内を上回っているという(時事通信フォト)

 中国政府が新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル人を強制収容所に送り、強制労働などの弾圧を続けている人権問題は、日本を代表する企業にも影響を及ぼしている。

 昨年9月、豪シンクタンク「豪戦略政策研究所」がウイグル人の強制労働に関する報告書を公開したが、強制労働との関与が疑われる企業としてアップル、BMW、サムスン、フォルクスワーゲンなどの世界的企業のほか、日本からは前述のユニクロ、無印良品、しまむら、パナソニック、ソニー、日立製作所、TDK、京セラ、三菱電機、シャープ、任天堂など、14社が名を連ねていた。

 日本ウイグル協会らがこの14社に対して質問書を送ったところ、多くの企業が「強制労働の問題は確認できなかった」と回答した。

 このように日本企業が中国に対して及び腰になる背景には、中国市場での売り上げを失いたくないという思惑や、中国批判をすることで中国内での不買運動や現地企業への認証取り消し、関税の引き上げなどの“報復”を恐れているとの見方もある。

 もっとも日本企業のなかには、中国政府と歴史的に距離が近い企業も少なくない。

 パナソニックは創業者の松下幸之助が1978年、日中平和友好条約批准のため来日したトウ小平と面会し、「中国近代化に協力してほしい」と直々に要請を受けた。いち早く共産国への経済協力を行なった同社は、中国では“井戸を掘った人”として讃えられてきた。松下幸之助は2018年に「中国に貢献した10人の外国人」として中国共産党から表彰されている。

 日本製鉄(旧・新日鉄)は1978年、中国の製鉄事業に全面協力し、上海宝山製鉄所の建設に尽力。この国家的プロジェクトは小説『大地の子』(山崎豊子著)でも描かれた。

 日本は中国と物理的に距離が近いため、欧米のように明確な対立構造は取りにくい。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン