国内

プラスチック食器有料化 60代のコンビニ店主は「うんざりだよ」と嘆息

ポスターなどでレジ袋の有料化を周知するコンビニのレジ周辺(イメージ、時事通信フォト)

ポスターなどでレジ袋の有料化を周知するコンビニのレジ周辺(イメージ、時事通信フォト)

 スイーツやグルメなど、いまや流行の発信地ともいえるコンビニエンスストア。それがない生活は考えられない人も多いだろうが、昨年のレジ袋有料化に匹敵する大きな変化がやってきそうだ。3月9日、プラスチックごみの削減を目指す「プラスチック資源循環促進法案」が閣議決定されたからだ。これまで無償で提供されてきたコンビニのプラスチック製スプーンやフォークが有料になるかもしれない。俳人で著作家の日野百草氏が、「コンビニは社会の縮図だよ」と語るコンビニオーナーが感じる客層の変化についてレポートする。

 * * *
「去年はレジ袋のトラブルがあったね、3円だって人それぞれの価値観だから」

 コンビニのバックヤード、自店購入で人気のコンビニスイーツを食べるオーナーの久保田直雄さん(60代・仮名)。東京下町で古くから経営している大ベテランだ。話は昨年7月から有料化されたレジ袋(プラスチック製買物袋、ビニール袋)の話に及ぶ。大手コンビニ3社は基本1枚3円だ。

「たかが3円だって人によるよ。1円だって得したい人はいる。お金があるとか貧乏とか、そういう話じゃないんだよ」

 拙筆「コンビニコーヒー、小カップに大の分量を注ぐ客にオーナーは」で小サイズのコーヒーを買って上のサイズや価格が上の銘柄を入れるようなサラリーマンとおぼしきスーツ姿の客に「みみっちい」と辟易していた久保田さん。みみっちいどころか犯罪なのだが、久保田さんは咎める気力すらないという。あれもある意味、ちょっとでも得したいという気持ちかもしれない(重ねるが犯罪である)。レジ袋の件もそうだ。

「レジ袋がいるかいらないかを聞くんだけど、いるに決まってると怒る客もいたし、ひどいとタダでよこせとか、わけがわからないよ」

 いるかいらないかの質疑だけで怒る客、タダにしろと強要する客、ごく一部とはいえ、コロナ禍に関係なく、まさにコンビニは日ごろの鬱憤の吐き捨て場、コンビニ店員は体の良いサンドバッグだ。

「でもコンビニなんかまだいいよ、単価が高いし買うのもだいたい数点ってとこ、そんな客はごく一部で、数円のレジ袋を気にしないって人のほうが多い。みんな慣れたのもあるんだろうけど、エコバッグ持参も増えた。みんな思ったより意識高いね」

 なるほど、スーパーマーケットなど大量購入の店舗ではエコバッグ必須となってしまうが、コンビニの場合は買っても数点、それにコンビニで大量に買う人がいたとしても価格の高い、定価に近い商品を買うことを躊躇しない層だ。金のあるなしはともかく、そういったコンビニでの大量購入者、金銭的な面に無頓着な人が大半だろう。

「そうそう、そんな人が数円のレジ袋なんか気にしないってこと。むしろレジ袋にうるさいってレベルの人はコンビニ使わないのかもね、近所の業務スーパーのほうが大変そうだよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
19歳の時に性別適合手術を受けたタレント・はるな愛(時事通信フォト)
《私たちは女じゃない》性別適合手術から35年のタレント・はるな愛、親には“相談しない”⋯初めての術例に挑む執刀医に体を託して切り拓いた人生
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左・共同通信)
《熊による本格的な人間領域への侵攻》「人間をナメ切っている」“アーバン熊2.0”が「住宅街は安全でエサ(人間)がいっぱい」と知ってしまったワケ 
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン