国際情報

空気の読めない文在寅が首脳会談前からバイデンを激怒させた

早くも決裂確定?(AFP=時事)

早くも決裂確定?(AFP=時事)

 訪米を一か月後に控えた韓国の文在寅・大統領の最近の言動に、ジョー・バイデン大統領周辺はぶ然としている。ホワイトハウス関係筋は、「文在寅という人物はワシントンの空気が読めないのか、それとも外務省の情報活動がマヒしているのか。せっかくセットした首脳会談を最初からぶち壊すつもりのようだ」と吐き捨てるように言う。

 文氏は4月20日に中国で開催された博鰲(ボアオ)アジア・フォーラムにオンラインで参加し、「開発途上国へのワクチン寄付など様々なコロナ対策支援活動をしている中国の努力を高く評価する」と絶賛した。同フォーラムはスイス主導のダボス・フォーラムに対抗して習近平・国家主席の肝いりで設置されたもので、今年は東南アジア諸国の政財界トップが集まったが、アメリカの同盟国で参加したのは韓国とニュージーランドだけ。

 これにアメリカが苛立つのは当然だが、文氏にとっては背に腹は代えられない事情もある。目下の急務は日本同様に安定的なワクチン確保だが、買い付け交渉の不手際に加え、米国が自国のワクチン備蓄のために国防物資生産法を発動したため、ワクチン入手のめどが立たなくなっているのだ。韓国主要紙のベテラン記者は韓国側の窮状をこう語る。

「アメリカは、ワクチン製造に必要な37種類の原料、設備の輸出を規制した。そのあおりを受けて世界最大のワクチン製造受託機関のインド血清研究所がワクチン生産を中断する危機に直面している。同研究所は英アストラゼネカや米ノババックスのワクチンなどを月平均1億6000万回分生産してきた。さらに欧州でのワクチン生産にも支障が出れば、韓国はワクチン配布が完全にストップする」

 そんな恨み節があるからといって、文氏がアメリカと「新冷戦」状態の中国のコロナ対策を賞賛したのはまずかった。アメリカから見れば、自国優先を進めるバイデン大統領への当てつけとしか映らない。文氏周辺では、韓国が競争力を持つ半導体や自動車用バッテリーを交換材料にアメリカからワクチンを確保しようという強硬論まで出ているが、これも逆効果しかない。

 経済の必需品を人質にしようという韓国の動きはアメリカをさらに刺激してしまった。米国務省報道官は21日、今後のワクチン供給について、「まずアメリカ国民の健康と安全が第一だ。対外的な支援についてはカナダ、メキシコ、そしてクアッド(日豪印)と協議している」と語り、韓国をバッサリと切り捨てている。

関連記事

トピックス

“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
反日的言動の目立つ金民錫氏(時事通信フォト)
韓国政権ナンバー2・金民錫首相の“反日的言動”で日韓の未来志向に影 文在寅政権下には東京五輪ボイコットを提起 反日政策の先導役になる可能性も
週刊ポスト
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン