せっかくのGWだっていうのに新型コロナ感染者の激増で遊びにも行けない。嗚呼、もうストレスMAXでムシャクシャして限界! というあなたへ、映画通のお天気キャスター森田正光さんが、スカっとできる映画とキュンとできる映画を紹介します。
森田正光さんのセレクト
・スカっとできる映画
『ショーシャンクの空に』
無実の罪で収監された銀行家とベテラン囚人の友情と奇跡の物語。監督:フランク・ダラボン、出演:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマンほか。1994年・米。143分。
デジタル配信中。ブルーレイ2619円、DVD1572円。発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント、販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント。
・キュンとできる映画
『君に届け』
ブルーレイ&DVD発売中。ブルーレイ6380円、DVD3850円。発売元:バップ。
20代の頃は1日9本観るほどの映画好きで、気象予報士を長年続けられるのは、映画のせりふで表現力が培われたおかげだと思っています。
人生は映画によって学んだと言っても過言ではありません。そんな私が、嫌なことがあると観たくなるのが『ショーシャンクの空に』です。単にスカッとするだけでなく、暗い復讐心や閉塞からの開放感、友情などエンタメの要素が詰まっています。
それに、主人公のアンディ(ティム・ロビンス)を見ると『自分の方がまだマシ』と思える(笑い)。痛快なのは、嫌な刑務所長を暴力でなく知性でやっつけるところ。アンディが脱獄するための設定も、緻密に計算し尽くされていて結末が読めない。そのストーリー展開も好みです。
職業柄、天気の描写も気になるのですが、雷の音に合わせて刑務所の下水管に穴を開けるシーンでは、雷が光ってから音が鳴るまでの間隔が科学的に正しかったので、「やっぱりちゃんと作られているな」と感心しました。
胸キュン映画では、青春時代の甘酸っぱい思い出がよみがえった『君に届け』がよかった。翔太(三浦春馬)が爽子(多部未華子)に思いを寄せるも、なかなか伝わらないあの切ない感じ。当時の自分の初恋を重ね、あの頃に戻れた気がしました。「いい年して青臭い」という人もいるかもしれませんが、もう大人ですから、現実世界はきれいごとですまされないのは重々承知。だからこそ、物事を素直に受け取った方が幸せじゃないですか? 71才のいま、18才の感性を追体験できるのも映画の醍醐味ですから。
【プロフィール】
森田正光さん/1950年生まれ。日本気象協会を経て、1992年初のフリーお天気キャスターに。ウェザーマップ社を設立し、個性的な気象解説で人気を博す。かつて映画評論家を夢見たこともあるほどの映画通。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2021年5月6・13日号