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全日空がセールス機能を本社に一元化 変化迫られる航空業界

全日空が大規模な改革(写真/GettyImages)

全日空が大規模な改革(写真/Getty Images)

 新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)は旅行業界に大きな痛手を与えており、昨年の航空券需要は前年に比べて半減、時期によっては2割から3割までに落ち込んでいるという。2020年は年末にかけて回復の兆しが見られたものの、新型コロナ感染は収束するどころか、4月25日から東京都・大阪府・京都府・兵庫県に3度めとなる緊急事態宣言が発出され、さらに厳しい状況となっている。そうしたなかで、航空業界も変化を迫られている。

 ANAグループは4月1日、傘下の「ANAセールス」から旅行事業部門を切り離し、ANAマイレージクラブの運営などデータベースマーケティングを手掛ける「ANA X」に統合する新体制をスタートさせた。それにともないANAセールスは「ANAあきんど」に社名変更し、従来の航空券の販売事業は継続しながら、観光振興をはじめとする地域活性化を事業の柱にしていく地域創生事業会社として生まれ変わることになった。

 そして、各支社・支店にあったセールス機能を東京のANAあきんど本社に集約している。そのため旧ANAセールスの支社・支店に約300人強いた販売部門の人員が概ね半減となり、本社などに異動となった。残った人数は、これから地域活性化事業に注力していくことになる。セールス機能を集約することになった理由を、ANAあきんど販売企画部副部長の中嶋章人氏は、次のように説明する。

「大きな要因は新型コロナです。私どものセールスの相手先である旅行会社が提供する旅行商品には出発日時やホテルを個別に選択する個人型と、団体で動く団体型があります。特に国内旅行では個人型が増えつつあったのですが、昨年からの新型コロナの影響で、大人数で行動したくないためか、個人型の需要が一気に増えました。しかも旅行会社に直接訪れるのではなく、インターネットを介しての購入が急増しています。そのため旅行会社でも、業務を本社に集約する動きが目立っています。それに合わせて、当社としてもセールスの一元化に踏み切ったわけです」

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