“水”との触れ合いの日々は、伊東に大きな影響を与えた。
「アナウンサーをしていなければお会いできないような方と、たくさん仕事ができました。お世話になった方はたくさんいますが、あえてお名前を挙げさせていただくとすれば伊集院光さん、坂上忍さん、中居正広さんのお三方ですね」
キャラクターの異なる3人に共通していたのは、MCのサポート役であるアナウンサーの個性を認めて、番組内で“放し飼い”にしてくれたことだという。
「ラジオでご一緒した伊集院さんは“毒舌”とも取られかねない発言を面白がってくださって、自分の気持ちを伝える楽しさを教わりました。アシスタントとして付かせていただいた坂上さんや中居さんは、私の不格好で失敗ばかりのキャラクターを活かしてくれました。『小さくまとまるな』と言ってもらえて、翼を与えてもらったような気持ちでした。辞める際もお三方とも応援してくれて、本当に嬉しかったです」
大物たちの言葉を胸に退社した伊東は、書籍の出版だけでなく新たなチャレンジに取り組んでいる。東京では3度目となる緊急事態宣言が発出されたが、5月1日(土)~5月9日(日)には東京・千駄ヶ谷で個展も開催予定だ。
「スニーカーショップのatmosさんからお声がけいただいて、原画の展示・販売をすることになりました。こういう時代ではありますが、SNSだけではなく実際に私の作品を生で見て感じてほしい。本当はトークショーでお客さんとの触れあいの場を設けたかったのですが、それは今後の楽しみに取っておきます。一瞬でもいいので、作品を見ていただけると嬉しいですね」
異例の転身を遂げた伊東に、今後の展望を聞いてみた。
「こういう性格なので5年後のことはまったく考えていません(笑)。まずは作品制作を通して自分を表現していきたい。新しく始めたいこともたくさんあるので、皆さんがあっと驚くようなことを仕掛けたいですね」
絵本作家として「第2の人生」を歩み始めた伊東楓から目が離せない。
■伊東楓×atmos 個展「変化の兆し」
期間:5月1日(土)~5月9日(日)11:00~19:00
会場:atmos sendagaya(東京都渋谷区千駄ヶ谷3-16-9)
撮影/藤岡雅樹