国内

コロナ猛威のインド 公園や駐車場で火葬、路上で酸素吸入の惨状

インドの惨状(AFLO)

入院できず、礼拝所で治療を受けるインド人女性(写真/AFLO)

 大型連休中も感染拡大が続き、一向に収まる気配のない新型コロナウイルスの感染拡大。最大の懸念は医療崩壊である。5月3日、全国の重症者は1084人に達し、2日連続で過去最多を更新。被害の集中する大阪や兵庫では療養者数が第3波のピーク時の2倍を超えて、自宅待機中に死亡するケースまで出ている。

 その主因となっているのが、感染力が強く、若者でも重症化するといわれる英国型の猛威だ。昭和大学客員教授(感染症)の二木芳人さんが言う。

「英国型の感染力は、従来型の1.3~1.7倍に達するとされます。すでに関西では8~9割が英国型に置き換わり、東京も6~7割は英国型になっているはずです。今後も当分は日本国内を英国型のウイルスが席巻していくと考えられます」

 終わらないコロナに気が滅入る中、目を覆わんばかりの惨状なのがインドだ。急激な感染拡大が続くインドでは、1日の新規感染者数が40万人に到達した。1日あたりの死者も連日3000人を超え、5月3日時点の累計死者は約22万人に達する。

 首都ニューデリーでは、増え続ける死者に火葬場が足りなくなり、街はずれの公園や駐車場にたくさんの薪を並べて遺体が火葬される。医療崩壊して入院できず、路上で酸素吸入をする患者が続出。病院の前で酸素吸入器をつけて横たわる老女をいたわり、「5分でいいから母を診てください!」と叫ぶ男性の姿が報じられた。

 5月3日には、インド在住の40代の日本人女性の死亡も初めて確認された。あまりの惨状に世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、「インドは悲痛の域を超えている」と語っている。生き地獄のような状況を招いているのは、「インド型」と呼ばれる変異ウイルスだ。新潟大学名誉教授の岡田正彦さんの話。

「まだ確証はないが、インド型は感染力が非常に強く、感染すると治りにくいため、重症化リスクも高いと考えられます。すでにアメリカの疾病対策センター(CDC)は、インド型はリスクが大きいと判断し、アメリカ政府に渡航禁止宣言を出させています」

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