『悲惨な闘い』は1974年1月、エレックレコードより発売。イラストはなぎらが描いたもの
『悲惨な戦い』は、巨漢力士・雷電と地獄の料理人・若秩父の取り組みで、まわしが落ちて慌てふためく様子を描いている。
「相撲協会からの正式な抗議はありませんでしたが、若秩父関は『学校に行ってる子供たちがいじめられる』と頭を抱えていたと聞きました」
マスコミが「こんな歌が流行っている」と日本相撲協会に問い合わせると、協会からは「困る」「国技だから……」という答えが返ってくる。これを「相撲協会が激怒」などと新聞・雑誌が書き立てると、放送業界が「これはまずい」と判断し、結果、放送禁止歌の仲間入りをしたのだ。
とはいえ、放送するかどうかはディレクター判断。
「不思議なことに、『絶対ダメだ』と怖がっているのはNHKの本局。でも、NHKの地方局は『全然構わない』という姿勢でしたね。何か言われても理論武装して対処できる、という気骨あるディレクターが地方にはいたんです。だからAランク指定の曲ながら、当初から放送されていました」
とある飲食店で偶然力士たちと一緒になった際、彼らはジュークボックスでこの曲を繰り返しリクエストし、笑い合っていたという。実は角界でも人気の一曲だったようだ。
※女性セブン2021年5月20・27日号
