本塁打王争いのトップを走る阪神・佐藤輝明(22)、16試合連続無失点(成績は5月12日終了時点、以下同)の広島・栗林良吏(24)ら、球界の話題は怪物ルーキーたちの活躍一色だが、その陰で今季、ベテラン選手たちが意地をみせている。
阪神の糸井嘉男(39)は近大の後輩にあたる佐藤にレギュラーを奪われていたが、5月7日に「6番・右翼」で今季初のスタメンで起用されると、いきなり初アーチ。5月9日にも勝ち越しの2号2ランを放つなど存在感を示した。
ここ3年、度重なる故障で精彩を欠き、若返りを図るチーム方針から昨オフには戦力外も囁かれていた。そんな状況を強く意識していた糸井は、『野球人生をかける』と公言して今季に臨んでいた。
「キャンプでもグラウンドを去るのは最後でしたし、今季初スタメンの前日も休日練習に顔を出していた。“試合に出ない日もあるので運動量が減っている”と話していたが、試合後も甲子園内でウエートトレをやるし、遠征から帰ってきても同じ。
自主トレを一緒に行なっているソフトバンク・柳田悠岐(32)やオリックス・吉田正尚(27)が『あの人は超人』と呆れるほどの身体能力は、まだまだ若手には負けない。本気でレギュラー奪取を狙っている」(スポーツ紙トラ番記者)
「50歳まで活躍できる」
その阪神から昨オフ、事実上の戦力外通告を受け、オリックスにコーチ兼任で移籍した能見篤史(41)も奮闘している。開幕から中継ぎで安定した投球を見せ、5月から守護神に抜擢。登板するたびにセーブ、ホールドの球団最年長記録を更新し、チームを盛り立てる。
「移籍当初、若手は能見に近寄りがたい様子でしたが、話すと穏やかで気さくなのでチームに溶け込んでいます。若手の時から体調管理を徹底していたため、40歳を超えても引き締まった肉体を維持できている。しなやかなフォームからの伸びのあるストレートは健在です」(オリックス担当記者)