メリンダ夫人の人脈も煌びやか。アリババ創業者のジャック・マー氏もおともだち(EPA=時事)
いずれにせよ、エプスタイン氏の逮捕、自殺でそうした人脈は何の意味もなさなくなった。それが関係したか定かではないが、ゲイツ氏は生涯のパートナーまで失うことになってしまった。相変わらず世界が注目しているのは、その巨大資産がどうなるかだ。メリンダ前夫人との財産分与は、米民法では折半することが義務付けられている。
離婚前にゲイツ夫妻が持っていた資産は1240億ドル(約13兆5000億円)。証券、預金など分割しやすい資産を除いても、自家用ジェット機、ワシントン州シアトル近郊の豪邸、フロリダ州ウェリントンやワイオミング州グリーンリバーの牧場、カリフォルニア州サンディエゴのビーチハウス、さらにサンフランシスコのリッツカールトンなど数か所のホテルも所有してる。離婚に際してどう分けるかは事細かに決められたというが、公表はされていない。
二人で立ち上げたゲイツ財団は従来通り管理運営するとしているが、同財団スタッフのなかには、ビル氏とメリンダ氏の関心事が異なることから共同管理は難しいとする声も出ている。「修復不可能なまでに壊れてしまった」(ゲイツ氏)という夫婦関係だが、今後はゲイツ財団のドロドロした内実も暴露されまくるだろう。
■高濱賛(在米ジャーナリスト)