防衛大のクラスター問題に、岸防衛相はどう対応するのか(時事通信フォト)

岸信夫防衛相(時事通信フォト)

【その3】「防衛省の予約システムの欠陥を指摘されて逆ギレした岸防衛相」

 戦時中、毎日新聞に「竹槍では間に合はぬ 飛行機だ、海洋航空機だ」という記事が載ったところ、当時の陸軍大臣でもあった東条英機首相が激怒。掲載紙の発禁などの処分を命じます。さらに記事を書いた37歳の記者は、ほどなく招集されてしまいました。どうやら今の日本でも、「大本営発表に逆らうとはケシカラン」という考え方は健在のようです。

 自衛隊が運営する大規模接種センターの予約システムが、17日からスタート。ところがフタを開けてみたら欠陥だらけでした。それを指摘した新聞記事に対して、岸信夫防衛大臣はTwitterに「極めて悪質な行為」と書き込むなど、怒りをあらわにします。しかし、報道で早めに問題点が指摘されなかったら、もっと深刻で激しい混乱が起きていたでしょう。ちなみに防衛省は、記事にする前の問い合わせにきちんと答えなかったとか。

 スピード重視で作ったシステムだけに、多少の欠陥があるのはやむを得ないかもしれません。しかし、防衛相の立場にある人が、欠陥の重大さの認識や原因の追究から逃げて、逆恨みと逆ギレで新聞社に抗議をしてしまいました。じつに恥ずかしい対応です。ただ、日本の防衛能力のお粗末さを身をもって示したという意味はあったかも。

 また、マスコミ叩きが大好きな人たちは「報道した新聞が悪い!」と、ムキになって言い張っています。いったい何から逃げたくて、無理のある理屈にすがっているのでしょうか。大きなお世話ではありますが、見ているこっちが恥ずかしくなります。

【その4】「1億5000万円の支出への関与を誰も認めようとしない自民党」

 公職選挙法違反(買収)事件で有罪判決を受けた河井案里元参議院議員。その陣営に提供された1億5000万円という異例に高額な選挙資金について、自民党の二階俊博幹事長(当時も幹事長)は「関与していない」と語りました。二階氏だけでなく、当時の総裁の安倍元総理も当時の官房長官だった菅総理も、知らん顔で逃げ続けています。

 3人とも選挙のときには思いっ切り前面に出て河井案里候補を応援していたのに、露骨に手のひらを返して恥ずかしくはないのでしょうか。いや、虚しい問いかけでしたね。重鎮がそろいもそろって逃げ回っていて、いわば自民党全体が恥をかかされています。若手のみなさまにおかれましては、さぞ居たたまれないことでしょう。あるいは、いつかは自分もその域にたどりつきたいと、羨望のまなざしで見ていらっしゃるのでしょうか。

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