五輪の行く末は…(時事通信フォト)
【その5】「オリンピック開催の是非を問われても逃げの答弁しかしない菅総理」
「対策を徹底することで国民の命や健康を守り、安全・安心の大会を実現することは可能だと考えており、しっかり準備を進めていく」
国会でも記者会見でも、菅義偉総理は壊れたテープレコーダーのように、この抽象的なセリフを繰り返しています。準備の内容や今後の見通しなどを聞かれても、相手の質問から逃げて、具体的なことはいっさい口にしようとしません。菅総理が「安心・安全」と言えば言うほど、日本の津々浦々に不安が広がっているように見えます。
本当に開催できるのか、打ち出している対策は本当に可能なのかという疑問に答えることから逃げているのは、菅総理だけではありません。丸川珠代五輪相も東京オリ・パラ組織委員会の橋本聖子会長もJOCの山下泰裕会長も東京都の小池百合子知事も、ことごとく似たり寄ったりです。ついでにIOCのバッハ会長も。
この先、発言権があるこの人たちの中から、「どんな犠牲を払っても絶対に開催する」が前提のレースから逃げて、「もうちょっとちゃんと考えましょう」「本当にできますかね」と言える人は出てくるのでしょうか。
──このように、国や政治家や偉い人たちの「逃げるは恥だし腹が立つ」に当てはまる事例は枚挙に暇がありません。きっと当人たちは、恥だとも何とも思っていませんね。いつの間にか日本は「逃げ上手」が出世し、「逃げ得」がまかり通る国になってしまいました。せめて自分自身は、都合の悪いことから逃げる恥ずかしさを忘れないようにしたいものです。