とはいえ、国民の多くが大麻解禁に賛成しているとは言い難い。そこについて高樹氏は、「反対なら反対で構わないと思います。ただ、健康を害している人が大麻を使いたいということにまで反対するのは冷たいんじゃないでしょうか。合法化されれば、それによって助かる人の権利まで奪う権利は誰にもないはずです」と指摘する。
反対派のなかには、医療法大麻が解禁されれば、いずれ一部の国のように嗜好品としての大麻も解禁され、それが国民の健康や社会を蝕むのではないかと心配する声もある。高樹氏は、それも大麻への偏見だと反論する。
「みんながちゃんと情報を持てば、大麻との付き合い方もわかると思うんです。ビールはみんなよく飲みますよね。でも、もっとアルコール度数の高いウォッカを毎日飲むという日本人は多くないでしょう。大麻についても、どんなもので、どのくらい摂れば自分の体に何が起きるか知っていれば、ちょうどいい量にしておこうとなるはずです。
もちろん、アルコールやタバコ、ギャンブルと同様に一定数は依存する人が出るでしょうが、それらに比べて多いことはないはずです。ちゃんと情報と知識があれば有効利用する人のほうが多いと思いますから、私は最終的には嗜好用も取り入れるべきだと思います」
高樹氏も言うように、反対の意見もどんどん言えばいいし、国民がモヤモヤしたまま法律や制度だけが変わっても禍根を残すことになる。世界を見てからそろりと改革に踏み出した日本だからこそ、しっかり地に足がついた議論をしていくべきだろう。