4LDKの間取りも珍しくない時代
ところがコロナ禍がこの流れを変えている。
この春ごろから新築マンション市場には、明らかにコロナ後に商品企画された物件が供給され始めている。首都圏でも関西圏でも、そこにはある程度はっきりとした傾向が読み取れる。それが「広さと部屋数」なのである。
都心でも郊外でも、コロナ以前はあまり見なかった4LDKの間取りも珍しくなくなっている。そして、20平方メートル台の住戸は、ほぼ見られなくなった。狭くても40平方メートル台が普通になりつつある。
新築マンション市場というのは、何かトレンドが変わるときには、業界全体が「一斉に」動く傾向がある。例えば、どこかのデべロッパーが新たに導入して成功したデザインや設備は、その1年後にはありふれたものになっている。
傍から見ればやや滑稽な変化だが、あの業界の横並び意識は相当なものである。今回も、この業界特質がいかんなく発揮されていると言っていい。