国内

昨年のバッシングを戦い抜いたパチンコ店幹部がいま語る経営哲学

3回目の緊急事態宣言では、一律で休業する形はとらない業種が増えた(イメージ、AFP=時事)

3回目の緊急事態宣言では、一律で休業する形はとらない業種が増えた(イメージ、AFP=時事)

 COVID-19という新型コロナウイルスによる感染症の拡大を防ぐために、様々なことを辛抱しなければならない生活も一年を超えた。その間、人々は「敵」を次々と認定し攻撃してきた。俳人で著作家の日野百草氏が、一年前にもっとも糾弾されていた業界のひとつであるパチンコ店幹部に、乗り越えたいまだからこそ言えることを聞いた。

 * * *
「いいなりになったらやられるんです。関係ない人の言いなりになっても、なにもいいことはない」

 関東近郊、地場のパチンコ店幹部である西口真二さん(仮名・48歳)はマスク越しに笑みをのぞかせた。マスクでくぐもっていても、その声は相変わらずの自信に満ちている。

「去年の今ごろとずいぶん風向きは変わりました。私たちの努力と、支持してくださるファンのおかげです」

 日曜日の千葉県柏市、柏駅はコロナ禍にあっても賑わいをみせていた。東京東部の住宅街、綾瀬駅や亀有駅、金町駅から乗った乗客が多数、この柏駅や途中の松戸駅に降りるところをみると、緊急事態宣言下の都内を避けて千葉に買い物に来た都民も多いのだろう。西口真二さんは筆者の高校時代の友人、学校は違うが、この柏駅近くの地下ゲームセンター街、通称”丸チカ”に集った古きゲーム仲間だ。

「あのとき(2020年の緊急事態宣言)ほどではありませんが、足立区や品川区といったナンバーもいます」

 緊急事態宣言、2020年とは違い2021年のいま、都内のホールのほとんどは営業している。1000平米超の大型施設に対する休業依頼だが、百貨店や映画館はその範疇になくとも休業、もしくは規模縮小の上で営業している。西口さんの地域は緊急事態宣言下にないため都内のホールのような時短もしていない。関東各県は特定の市に対してまん延防止等重点措置の対象地域に指定しているが、あくまで要請でありコロナ対策の徹底には従っても私権に及ぶことまで言うことを聞く義理もない。協力金もはした金、パチンコホールのように特定の顧客に支えられたアミューズメント施設なら通常営業したほうがよっぽどいい。

「そうです。お客様が来ないなら休みますが、支持してくれるお客様が来てくれるわけですから、ファンのためにも休めないわけです。お客様だけを大事にする姿勢は変わりません。それでいいんです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン