ライフ

アメリカ生まれ「防弾コーヒー」の減量効果が話題 認知症リスク減も

「食欲を抑えて脂肪を燃やす」とアメリカで大流行(写真/Getty Images)

「食欲を抑えて脂肪を燃やす」とアメリカで大流行(写真/Getty Images)

【NEWSポストセブンプレミアム記事】

「やせる朝食」といえば何だろう。野菜のスムージー? 食物繊維たっぷりのシリアル? それとも伝統的な和食?──いま注目されているのは、なんと油たっぷりのコーヒーだ。アメリカ生まれの“完全無欠のコーヒー”のダイエット効果とは?

 キリッとした苦みと心地よい香りでスッキリと目が覚める、朝のコーヒー。毎朝の習慣になっているという人も多いだろう。もし、あなたも朝食のときにコーヒーを飲んでいるなら、米シリコンバレーで生まれ、いまや全米で大流行している「防弾コーヒー」を試してみてほしい。

 IT企業・ブレットプルーフ(防弾)CEOのデイヴ・アスプリーさんが考案したこのコーヒーは、「完全無欠コーヒー」とも呼ばれる。1杯のコーヒーに、バターとMCTオイルの2種類の油を加えることで、「食欲を抑制して体重を減らし、脳を目覚めさせて集中力を高めるエネルギー源になる」のだという。

 事実、もともと体重が140kgもあったアスプリーさんは、毎朝このコーヒーを飲むことで、わずか3か月で20kgもの減量に成功。その後も毎日0.5kgずつやせ続け、最終的には50kg以上も落とすことができたという。

 一体、どんな飲み物なのだろうか。

バターが食欲を抑えて認知症リスクも軽減

 そもそも、コーヒー自体が、ダイエット効果が期待できる飲み物だ。管理栄養士の麻生れいみさんが解説する。

「カフェインには、リパーゼという脂肪分解酵素が含まれています。また、コーヒー特有のポリフェノールであるクロロゲン酸はリパーゼの働きを活性化する。“運動の20~30分前にコーヒーを飲むと脂肪が燃焼しやすくなる”というデータもあります」

 そのコーヒーに、良質なバター、またはそれを煮詰めて撹拌してつくられた「ギー」と、MCTオイルまたはココナッツオイルを加えることで、その効果を強化することができるのだ。

「コーヒーに2種類も油を入れて毎朝飲むなんて、太るに決まってる!」と思うかもしれない。しかし、実は防弾コーヒーに使う油は、健康とダイエットの救世主だ。

 徳島大学教授の佐田政隆さんは、バターに含まれる酪酸塩は、腸内の善玉菌を増やし、食べすぎを防ぐ効果があると話す。

 また、酪酸塩は特に体に吸収されるスピードが速い「短鎖脂肪酸」の一種で、脳に直接作用して食欲を抑えるほか、認知機能の低下を防ぐ働きがあることも報告されている。

 防弾コーヒーにおいては、牧草だけを食べて育った牛からとれる「グラスフェッドバター」がおすすめだ。

 抗生物質やホルモン剤などの薬剤を一切投与せず、自然に近い環境で育てているため、安全性も栄養価も高く、βカロテン、ビタミンD、E、Kなどが豊富に含まれている。

「グラスフェッドバターは、通常のバターと比べ、体内の炎症を抑えてがんや脳卒中、認知機能の低下などを抑制するオメガ3脂肪酸が5倍近く含まれているといわれており、中性脂肪やコレステロールの値を下げる効果も期待できます」(麻生さん・以下同)

 近年は、一般的なスーパーでもグラスフェッドバターを購入できるところが増えている。アスプリーさんによると、良質なグラスフェッドバターを材料につくられる「ギー」を使うのもおすすめだという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン