芸能

『いしゃ先生』『楢山節考』…名作映画の「辞世の言葉」を浜村淳らが解説

名作映画の「辞世の言葉」を紹介。写真は『いしゃ先生』(2015年、キャンター)/(C)2015 志田周子の生涯を銀幕に甦らせる会/「いしゃ先生」製作委員会

名作映画の「辞世の言葉」を紹介 (C)2015 志田周子の生涯を銀幕に甦らせる会/「いしゃ先生」製作委員会

 最後の別れを前にして、愛する人に伝えたい気持ちがある。名優たちのセリフには、演技を超えた万感の思いが込められている。銀幕で描かれた「心に染み入る辞世の言葉」を、映画評論家の浜村淳氏と映画パーソナリティのコトブキツカサ氏が選んでくれた。

「人は慈悲の心を失っては人ではないぞ。己を責めても人には情けをかけろ。人は等しくこの世に生まれてきたものだ。幸せに隔てがあってよいはずがない」

『山椒大夫』(1954年、大映)より
監督:溝口健二 出演:田中絹代、花柳喜章、香川京子

【あらすじ】人買いによって母(田中絹代)と離ればなれになってしまった安寿(香川京子)と厨子王(花柳喜章)は、奴隷としてこき使われる。成長した2人はついに脱走を図り、安寿は厨子王を逃がすために池に身を投げるのだった。

「脱走した厨子王は、父の言葉を胸に人買いに復讐を果たして、奴隷を解放しました。その後、母と再会するわけですが、遊女に身を落とし、目も見えない老いた姿となってもその美しさが少しも損なわれていません。凄まじいラストシーンでした」(浜村氏)

「ありがとな」

『いしゃ先生』(2015年、キャンター)より
監督:永江二朗 出演:平山あや、榎木孝明、長谷川初範

【あらすじ】山形の農村から東京に出て医者になったばかりの志田周子(平山あや)は、父・荘次郎(榎木孝明)に呼び戻され、この村で医者になって欲しいと頼み込まれる。3年だけの約束で引き受けた周子だったが……。

「無医村に医者を置きたいという父親の願いを叶えた周子でしたが、村人全員に歓迎されたわけではありませんでした。しかし、やがて『ありがとう』と言われることの尊さを学んでいきます。死の前に、父も娘に感謝の言葉を捧げるのでした」(コトブキツカサ氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

畠山愛理と鈴木誠也(本人のinstagram/時事通信)
《愛妻・畠山愛理がピッタリと隣に》鈴木誠也がファミリーで訪れた“シカゴの牛角” 居合わせた客が驚いた「庶民派ディナー」の様子
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
「何か大変なことが起きているのでは…」米倉涼子、違約金の可能性を承知で自らアンバサダー就任のキャンセルを申し出か…関係者に広がる不安がる声
NEWSポストセブン
ドイツのニュルンベルクで開催されたナチ党大会でのヒトラー。1939年9月1日、ナチ・ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発した(C)NHK
NHK『映像の世紀』が解き明かした第二次世界大戦の真実 高精細カラー化されたプロパガンダ映像に映る国民の本音、老いて弱りゆく独裁者の姿
週刊ポスト
大阪・関西万博を視察された天皇皇后両陛下(2025年10月6日、撮影/JMPA)
《2回目の万博で魅せた》皇后雅子さまの気品を感じさせるロイヤルブルーコーデ ホワイトと組み合わせて重厚感を軽減
群馬県前橋市の小川晶市長(共同通信社)
「ドデカいタケノコを満面の笑顔で抱えて」「両手に立派な赤ダイコン」前橋・小川晶市長の農産物への“並々ならぬ愛”《父親が農民運動のリーダー》
NEWSポストセブン
萩生田光一元政調会長が幹事長代行へ起用(時事通信フォト)
《SNSで非難轟々》“裏金議員”萩生田光一氏が党執行部入りの背景 永田町関係者が明かす“総裁選での暗闘”と「香水がとてもいい香り」の珍評価
NEWSポストセブン
巨人の阿部慎之助監督(左)とDeNAの三浦大輔監督
セ2位DeNA・三浦監督は勇退で3位巨人・阿部監督は続投でいいのか? 御意見番・広岡達朗氏は「三浦は偉い」「阿部は三浦が辞めた意味すらわかっていないんじゃないか」
週刊ポスト
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(共同通信)
《やる気スイッチ講師がわいせつ再逮捕》元同僚が証言、石田親一容疑者が10年前から見せていた“事件の兆候”「お気に入りの女子生徒と連絡先を交換」「担当は女子ばかり」
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月7日、撮影/JMPA)
《再販後完売》佳子さま、ブラジルで着用された5万9400円ワンピをお召しに エレガントな絵柄に優しいカラーで”交流”にぴったりな一着
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷が“即帰宅”した理由とは
《ベイビーを連れて観戦》「同僚も驚く即帰宅」真美子さんが奥様会の“お祝い写真”に映らなかった理由…大谷翔平が見計らう“愛娘お披露目のタイミング”
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《山瀬まみが7ヶ月間のリハビリ生活》休養前に目撃した“スタッフに荷物を手伝われるホッソリ姿”…がん手術後に脳梗塞発症でICUに
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン