「好きなことをやりなさい。それがいちばんの親孝行だがね」

(C)2010「RAILWAYS」製作委員会※「Blu-ray&DVD好評発売・レンタル中」

(C)2010「RAILWAYS」製作委員会※「Blu-ray&DVD好評発売・レンタル中」

『RAILWAYS~49歳で電車の運転士になった男の物語~』(2010年、松竹)より
監督:錦織良成 出演:中井貴一、高島礼子、本仮屋ユイカ

【あらすじ】大手企業で働く筒井肇(中井貴一)は順調に出世街道を歩んでいた。そんなある日、母(奈良岡朋子)の入院で帰郷。同期の死も重なったことで、これまでの人生を振り返り、子どもの頃からの夢に挑戦することを決意する。

「一流企業から地元の鉄道会社に転職が決まったことを入院先の母に伝えた時の言葉です。母は息子の決断に対して賛成も反対もしませんが、嬉しそうです。人生の挑戦は何歳からでも可能。人生で最も大事なものを教えてくれます」(コトブキツカサ氏)

「ボケてなお、人は生きるのか。生きるなり」

『花いちもんめ』(1985年、東映)より
監督:伊藤俊也 出演:千秋実、西郷輝彦、十朱幸代

【あらすじ】元大学教授の冬吉(千秋実)は認知症と診断され、次第に家族の名前すら分からなくなっていく。長男の治雄(西郷輝彦)は、そんな父を献身的に介護する妻の桂子(十朱幸代)を見て、失われかけていた家族の絆を取り戻していく。

「認知症は誰の人生にも降りかかる可能性があり、他人事ではいられませんでした。治雄は父の日記からこの言葉を見つけて、父への、そして妻への絆を再認識していきます。生きる儚さとともに、人生の素晴らしさを教えてくれる作品です」(コトブキツカサ氏)

「辰平、わしの目の黒いうち、顔くらい見せておけよ。気にしていてくれたんだな。来年は山へ行ってくれるんじゃな」

『楢山節考』(1958年、松竹)より
監督:木下惠介 出演:田中絹代、高橋貞二、望月優子

【あらすじ】70歳になると楢山まいりに行く風習がある村で、おりん(田中絹代)は息子の辰平(高橋貞二)に嫁が来たのを見届けた後、山へ行くと言い出した。楢山まいりとは姥捨のこと。辰平は母を山に捨てる悲しみを必死に堪えていた。

「辰平は楢山に老母を置き去りにした帰りに雪が降ってきたので思わず老母の元に戻ります。しかし、おりんは死ぬためにここへ来たんだ、心配は要らない、さっさと帰れ、とでも言うように黙って手を振るのです。何とも悲しい場面です」(浜村氏)

取材・文/小野雅彦

※週刊ポスト2021年6月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン