昨年も今年も、GWやお盆、正月休みの旅行は自粛で、帰省もできずじまいという人が多かった。しかし、アメリカではワクチン接種が進むことで、観光客の受け入れを始める州も出てきたという。
「ニューヨーク州やアラスカ州、テキサス州では、観光促進のため、観光に訪れた外国人に無料でワクチンの接種をしています。日本からも渡航が可能で、フライトの3日以内にPCR検査で陰性を証明する必要がありますが、ワクチン接種を受けられる州では、到着後の自主隔離は必要ないことが多い」(旅行ジャーナリスト)
同時に、世界中で検討されているのが、接種済みの人に発行される「ワクチンパスポート」だ。日本でも経団連などが導入を働きかけており、「諸外国に足並みを揃える」形になるかもしれない。
ワクチン接種でさまざまな可能性が見えてきたが、楽観視はできないという。医療法人社団北垣会たけしファミリークリニック院長の北垣毅さんは話す。
「新型コロナウイルスが怖いのは、次々と『変異株』が生まれる点です。5月末にも、感染力の非常に強いインド株と英国株のハイブリッド型である『ベトナム株』が見つかっています。今後、いまのワクチンでは効かないものが出てくる可能性も充分に考えられるため、引き続き警戒が必要です」
さらに、従来のウイルスに対しても、ワクチンの効果が永遠に続くわけではない。
「例えばファイザー製のワクチンは、半年から1年未満しか効果が持続しないといわれています。モデルナ製のワクチンも、まだ6か月後に効果が持続していることしか確認できていない。今後、インフルエンザのように、定期的なワクチン接種が常識になるかもしれません」(一石さん)
ワクチン接種の後にも、「新しい生活様式」を考える必要がありそうだ。
※女性セブン2021年6月17日号