芸能

『おかえりモネ』支えるベテラン、“名人芸”見せる2人の役者

存在感が光る、でんでん

存在感が光る、でんでん

 清原果耶主演で5月からスタートした連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK)。豪華出演者たちも話題を集めているが、コラムニストのペリー荻野さんが注目するのは、意外な2人の役者である。地味に存在感を見せる2人の役者についてペリーさんが解説する。

 * * *
 そんなわけで、朝ドラ『おかえりモネ』では、主人公のモネこと百音(清原果耶)は、仕事をしながら、気象予報士に興味を持って勉強を始めたり、祖母の初盆に気仙沼に帰省して幼なじみたちと再会したりと忙しく過ごしている。

 このドラマを見て、最初に思ったのは、キャストがとても豪華ということだ。なにしろ、モネの両親は、母が朝ドラ『君の名は』のヒロイン鈴木京香、父は大河ドラマ『風林火山』主演の内野聖陽。祖母は昨年、BSプレミアム『70才、初めて産みますセブンティウイザン』出演で話題を集めた竹下景子、祖父は73歳のときBSプレミアム『かぶき者慶次』に主演した藤竜也、下宿先の主も朝ドラ『カーネーション』でヒロインの晩年を演じた夏木マリ、あこがれの気象キャスターは西島秀俊。連ドラの主役経験者たちが、若きモネを盛り立てる。

 だが、主役級俳優だけが光っているわけではない。このドラマには、私が勝手に認定した名人、日本一が二人出演しているのである。

 名人その一は、でんでん。モネが勤務する登米の米麻町森林組合の参事である川久保博史(でんでん)は、ぶらりと事務所に現れて、朝から声がガラガラさせてる課長(浜野謙太)に「山主さんと飲み過ぎただけだべ」と言ったりする。見事な山のおじさんだ。

その役作りに欠かせないのは、何気なく被った「組合帽」。似合う。似合い過ぎると言いたい。長靴もセットにすれば最強だ。思い返せば、『あまちゃん』の漁協組合長・長内六郎役のときも組合帽がぴったりしていた。でんでんは「日本一組合帽が似合う俳優」と言ってもいいと思う。なお“組合帽”とは私が勝手に言ってる言葉で正式名称ではないです。が、実際に「農協帽子コレクター」もいるとのことなので、その筋の方々からみると、でんでんはあこがれの人なのではないかと?

 もうひとりの名人は、大島蓉子。森林組合の近所のおばちゃん吉田みよ子(大島)は、いつも明るく、行事があるとエプロン姿で率先して手伝いにやってくる。林間学校でやってきたこどもたちには、野菜を煮込んだ汁に練った小麦粉をほいほいとちぎって地元名物の「はっと汁」を作って、「みよ子さんの妙技」と注目され、美味いといわれると「ああ、いかったー」とうれしそう。その頭にはしっかり鉢巻きが。すごく似合っている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン