芸能

『コント』『モネ』も ヒロインのキャラを際立たせる「妹」の役割

古川琴音

『コントが始まる』で”妹”役の古川琴音

 ドラマには、主人公やヒロイン以外にも重要な役割を果たす登場人物がいる。それは「妹」だ。『コントが始まる』(日本テレビ系)、『おかえりモネ』(NHK)では、その役割が顕著だという。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 今シーズンは、ヒロインの妹たちがドラマを盛り上げている。 その代表が『コントが始まる』の古川琴音。古川は、解散を決めたお笑いトリオ・マクベス(菅田将暉・仲野太賀・神木隆之介)を熱烈に応援する中浜里穂子(有村架純)の妹つぐみの役だ。

 つぐみは、前の職場で深く傷ついた姉を「励ますため」東京で同居を始める。しかし、自身も優等生だった姉とは違い、高校卒業後も何をするでもない日々を過ごしていたのだ。やがて、つぐみはスナック勤めを始め、マクベスメンバーの瞬太(神木)とつきあうことに。

「ファンとはつきあわないことが鉄則のはず」と怒る姉につぐみは「私はファンじゃない」と言い放ち、ケンカになるのである。だが、芸能事務所に就職する決意をした妹は、姉の家を出るとき、得意料理をたくさん作って感謝の心を手紙に綴っていくのだ。

 人生に迷い続ける若者たちの日常。微妙な感情の揺れをコントとつなげて描く手法は見事だ。その中で、年下のつぐみは、感情的になりがちな姉やマクベスの面々を少し離れたところで見つめている。揺れてないように見えて、とても揺れていて、しかも、なかなか素直にその優しさが出せないでいる。つぐみの揺れと秘めた優しさの出し方は、絶妙だ。

 思えば、古川はHuluオリジナルドラマ『THE LIMIT』第二話「タクシーの女」でも妹役だった。羽田空港に急ぐ弁護士の姉(門脇麦)が偶然、自分が運転するタクシーに乗車すると、妹(古川)は当初、自分に気づかなかった姉に「妹の職業知らないって、どうかしてるよ」と言い、車は羽田とは逆方向に。あわてる姉に妹は「降りれるわけないでしょ、バーカ」と意地悪顔だ。その裏にも秘めた気持ちが…。

 また、JTのコマーシャル「想うた」シリーズでは、美容師の姉妹に。生真面目な姉(石橋杏奈)とは対照的にカラフルな髪色の妹(古川)は、対立しつつも姉を慕う。こども時代の「かっとけん 1かい」で姉に髪を切ってほしいと頼むのである。古川琴音のさまざまな「妹演技」お見事。

 もうひとり、印象的な「妹」は、朝ドラ『おかえりモネ』のヒロイン、モネこと百音(清原果耶)の妹・未知(蒔田彩珠)だ。

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン