逝去の報に多くからファンが悲しみの声があがった

逝去の報に多くからファンが悲しみの声があがった(2012年撮影)

 そして晩年は、死後についても考えるようになり、「静かに眠りたい」と口にすることもあったという。そう考えるようになったのには、若き日に見た父・阪東妻三郎の墓のあり方が影響しているのかもしれない。こんなエピソードが伝わっている。阪東は昭和の大スター。亡き後に多くのファンが墓参りに訪れていた。

「阪東さんが眠る京都の菩提寺には、お墓に通じる道の入口に『阪東妻三郎 田村伝吉氏墓』と書かれた木の案内板が建てられていました。ひとりで墓参りに来ていた田村さんは、それを見るなり『こんなものを建てられては、ゆっくり休めやしない』と、引っこ抜いてしまったというんです。死んでもなお、“演じ続けなくてはいけないのか”と感じたのでしょう。自分の死後を考えたときに、こうはなりたくない。そんな考えがあったのかもしれません」(田村さんの知人)

「そうか、もう君はいないのか」

「静かに」の言葉が、墓石を建てない理由との見方もある。登司麿さんはこう明かした。

「墓石を建てる予定はあるはずです。でもいまは、正和が亡くなったことが発表されたばかり。ファンのかたが、たくさんお墓を訪れていると聞いています。それはとてもありがたいことなのですが、そんななかで新しいお墓を建てると、また目立ってしまう。それは正和の思いとは異なりますからね。だからいまは、和枝さんが建てるタイミングを見計らっているんじゃないでしょうか」

 そう理解はしていても、登司麿さんのなかで弟に会いたい感情は日増しに大きくなっているという。

「皆さん、正和の代表作というと、『古畑任三郎』とか『眠狂四郎』(共に、フジテレビ系)とか挙げるでしょう? でもぼくのなかでは、富司純子さん(75才)と夫婦役を演じた『そうか、もう君はいないのか』(2009年・TBS系)なんです。役柄に正和の優しさがにじみ出ていて、俳優の田村正和じゃなくて弟・正和を見ているようなんです。ドラマを見た後に正和に電話して、『すごくよかった』って伝えたら、『ありがとう』って言っていた。感情を出すことなく、彼らしく淡々とね。

 正和が亡くなってから、あのドラマと、『ありがとう』の言葉をよく思い出すんです。タイトル通り『もう君はいないのか』って思ってしまうんですけどね……」(登司麿さん)

 墓ができたらすぐに会いに行きたいと登司麿さんは言う。気になるのは、どんなこだわりの墓石なのかということ。

「麗々しさを嫌う田村さんですから、こだわりが強い墓石といっても、きらびやかだったり、主張が強かったりということではないと思います。『静かに眠りたい』と考えていたほどですから、むしろ控えめな墓石なんじゃないかな」(前出・田村さんの知人)

 彼を慕う多くの関係者が悲しみから抜け出した頃、田村さんらしい家族思いの墓が建つのだろう。

※女性セブン2021年7月1・8日号

近年は仕事をセーブしていた(2012年撮影)

近年は仕事をセーブしていた(2012年撮影)

Tシャツ姿で街を歩く田村正和さん

Tシャツ姿で街を歩く田村正和さん

田村正和さんの私生活はあまり公にならなかった

田村正和さんの私生活はあまり公にならなかった

古畑任三郎は一大ブームになった

「静かに逝きたい」と願っていた田村さん

関連記事

トピックス

2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「横たわる少女の横で四つん這いに…」アンドリュー元王子、衝撃画像が公開に…エプスタインと夫婦でズブズブで「英王室から追放しろ」 
NEWSポストセブン
皮膚科の医師だった佐藤容疑者
収賄容疑で逮捕された東大教授の接待現場 “普段は仏頂面”な医学界の権威が見せた二面性「年甲斐もない異様なはしゃぎ方」
女性セブン
「ヤンキー先生」として注目を集めた元文部科学副大臣の義家弘介氏(EPA=時事)
《変わり果てた姿になった「ヤンキー先生」》元文科副大臣・義家弘介氏、政界引退から1年で一体何が…衝撃の現在
NEWSポストセブン
学童クラブの宿泊行事中、男児にわいせつ行為をしたとして逮捕された保育士・木村正章容疑者(左:法人ホームページより。現在は削除済み)
《保護者と児童が証言》「”ジョーク”みたいな軽いノリで体を…」変態保育士“キムキム”こと木村正章容疑者が男子小学生にわいせつ疑い「変な話はいっぱいあったよ」
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏とエプスタイン元被告(時事通信フォト)
「13歳で拉致され、男たち3人に襲われた」「島から脱出する条件はあられもない姿を撮らせること」被害女性が必死に訴えていた“黙殺された証言”【エプスタイン文書300万ページ新たに公開】
NEWSポストセブン
「大谷ファミリー」の活動指針が徐々に明らかになりつつある
《家族でハワイに行ける成長ぶり》大谷翔平が長女をインスタに掲載する「価値観の変化」…真美子さんは「教育分野に興味」
NEWSポストセブン
吉村洋文氏(左)と藤田文武氏(右)と並んで秋葉原駅前で衆院選の第一声をあげる高市早苗首相(写真撮影:小川裕夫)
《問われる存在意義》衆院選で自民単独過半数なら維新はピンチ 定数削減実現は困難に、自民党内で「連立維持するのか」問題も浮上か
法定スピード以上の速度で突っ込んだ(時事通信)
《独自》内閣府公用車の9人死傷暴走事故 委託先は2年前にも永田町で公用車ひき逃げ死亡事故 運営会社と内閣府が「間違いございません」と事実関係を認める
NEWSポストセブン
「日本学術振興会賞」と「日本学士院学術奨励賞」の授賞式に出席された秋篠宮ご夫妻(2026年2月3日、撮影/JMPA)
《上品な艶がドレッシー》紀子さまの授賞式ファッション ライトブルーのセットアップで親しみやすさを演出、同系色のブローチも
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《司忍組長、84歳の誕生日会に密着》胡蝶蘭、鯛、枡酒にコンパニオンが大挙 警察、メディアが関心を寄せる「山口組重要文書」の存在
NEWSポストセブン
晩餐会での“少女漫画のようなエスコート”動画が話題に(提供:soya0801_mlb)
《独占入手》妻・真美子さんの手を優しく取って…大谷翔平、晩餐会での“少女漫画のようなエスコート”動画が話題に ファンに伝えた「ありがとう」
NEWSポストセブン
目撃者が語った“凄惨な事故現場”とは(左/時事通信フォト、右/共同通信)
「『死んじゃうよー』公用車の運転手がうめき声を…」「官僚2人は後ろでグッタリ」公用車が130キロで死傷事故、目撃者が語った“凄惨な事故現場”【高市首相、腹心の官僚】
NEWSポストセブン