大豆の栄養パワーは度々話題になるが…(写真/GettyImage)
2013年には「無形文化遺産」に登録され、国内のみならず世界中で「健康食」の代名詞として称賛されてきた和食。ところが、今回のランキングのトップに名を連ねたのは豆腐や納豆、みその原料となる「大豆」と、白米よりも栄養素が豊富で“健康的な食事”の代表格とされてきた「玄米」だった。こくらクリニック院長の渡辺信幸さんは“大豆礼賛”に疑いの目を向ける。
「そもそも大豆の大部分を占める栄養素の『イソフラボン』は、人間にとって必須の栄養素ではない。さらに、動物実験では胎児に悪影響が出るという結果もあります。海外では、乳幼児やがんなどの病歴がある人には摂取量を制限するケースも。体にいいからと、むやみに普段の食生活に“上乗せ”して摂ることは推奨できません」
フードコーディネーターの小倉朋子さんも手厳しい。
「大豆は、カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルを一緒に摂ったとき、それらの吸収率を下げてしまう可能性があります」
玄米にも、吸収阻害を挙げる声が相次いだ。
「たしかに玄米は白米よりもミネラルや食物繊維が豊富ですが、一方でふんだんに含まれる『フィチン酸』という成分が鉄や亜鉛と結合し、ミネラルの吸収を妨げてしまいます」(管理栄養士の清水加奈子さん)
玄米そのものの消化の悪さを懸念する声もある。
「栄養素が豊富な半面、白米よりも硬く、それなりに咀嚼回数が必要で消化しづらい。高齢者や胃が弱っている人には特に推奨できません」(管理栄養士の中沢るみさん)
食生活は“継続”こそが力になるが、6位の「ひじき」や、“だし”として日本食に欠かせない「昆布」ではそれが逆効果になる。管理栄養士の金丸絵里加さんが解説する。
「ひじきには有害物質である『無機ヒ素』が含まれており、継続して大量に摂取するとがん発症など、病気のリスクが高まります。体重50kgの人なら1日当たり5g程度(乾燥重量)が適量。週に3回以上食べるのは要注意です。昆布も同様で、含有する『ヨウ素』は体に欠かせないミネラルですが、必要なのはほんのわずか。過剰に摂ると、甲状腺機能障害になることがあります。昆布の適量は1日40〜60mg相当です」
和食のお供でカテキンが豊富な「緑茶」も8位にランクイン。脳神経外科医の菅原道仁さんは、頭痛の悪化を懸念する。
「緑茶には意外とカフェインが多く含まれています。少量なら血流をよくして片頭痛にも効果がありますが、飲みすぎるとカフェインの離脱症状でかえって頭痛が悪化することもあります」
内科医の佐々木欧さんが注意を促すのが、お茶を飲むときの温度だ。
「イランのテヘラン医科大学が行った研究によれば、60℃以上のお茶を1日に700ml以上飲むと、食道がんのリスクが1・9倍になるとも。やけどを繰り返すことがリスクにつながるので、適温・適量を心がけましょう」