ナッツの賞味期限はきちんと守ろう(写真/GettyImage)
骨を丈夫にするために毎日牛乳を飲み、腸活のためにヨーグルトも欠かさないという人も少なくないが、杏林予防医学研究所所長の山田豊文さんが、こんなショッキングなデータを示す。
「よく“骨太な体を作るため”と乳製品を積極的に摂る人がいますが、実際には牛乳や乳製品の摂取量が多い国ほど、大腿骨頸部骨折の発生率が高いことが示されている。つまり、乳製品が骨を強くするというのは完全なる誤りです。
乳製品にはカルシウムは多いがマグネシウムは少なく、ミネラルバランスも悪い。さらに含有するたんぱく質の『カゼイン』は、乳がんや前立腺がんなど生殖系のがんのリスクを高めるともいわれています」
古くなったナッツが招く病気
煮るか焼くか、揚げるか蒸すか—食品そのものの成分を知ることと同じくらい重要なのが、調理法によって体に与えるリスクや影響が大きく変動することだ。AGE牧田クリニック院長の牧田善二さんが解説する。
「がんや老化、血管病などの原因となる有害物質である『AGE』はたんぱく質と糖を同時に加熱することで生成されます。つまり、同じ食品でも火が入ったり、衣をつけて揚げたりすれば有害物質が増えるということ。体にいい食材も、一気にジャンクフードになってしまうのです。
たとえば鶏肉のAGE値は蒸し焼きなら769ku、水炊きならば957kuですが、から揚げにすれば9732ku、バーベキューで丸焼きにしたときは1万8520kuまで跳ね上がる。調理法にも注目して食事内容を考えてほしい」
生産過程や精度にも気を配りたい。医師の済陽高穂さんは手軽さが人気の「カット野菜」の落とし穴を指摘する。
「小さくカットされた野菜は表面が変色するため、最低3回以上水洗いされており、その過程で栄養成分が相当失われています。しかも洗浄水には衣類の漂白剤にも使われる次亜塩素酸ナトリウムが使われることもあり、健康的とは言いがたい状況です」
フレッシュさが大切なのは、野菜だけではない。総合内科医の赤澤純代さんが特に鮮度を気にするのは、「ナッツ類」だ。
「ピーナッツは、古くなると天然物の中で最も強力な発がん物質といわれるアフラトキシンを発生させることがある。海外ではアフラトキシンによる死亡例も報告されています。生鮮食品ではないため見落とされがちですが、賞味期限は必ず守り、カビないように高温多湿を避けて保管してほしい」