家庭や育児の話は一切しなかった
それからは、週3日ほど私のマンションで会いました。彼が泊まることはなく、いつも24時頃には自宅に帰っていきました。
そうしているうちに、昨年2月に小川さんの妊娠のニュースが入ってきた。いま思えば、ここが最後の分かれ道だったような気がします。小川さんが妊娠したらこの関係は終わらせよう、終わらせなきゃダメだと、ずっと自分に言い聞かせてきました。
豊田さんに会って、「別れよう」と話しました。でも、彼は「嫌だ」って。その言葉を聞くと、どうしても揺れてしまうんです。お子さんが生まれてからもそう。何度も、何度も、ここで切ろう、終わらせようと思ってきたし、そう伝えました。豊田さんが家庭に帰って行った後、一人残された私は「何をやっているんだろう……」と、どこまでも気持ちが沈みました。
それでも、彼といる時間は代えがたい安らぎがあった。私と会うときは、家庭や育児の話は一切しないんです。そんな彼の優しさが愛おしかった。
報道された沖縄旅行(2020年10月)も、本当は豊田さんとの関係を終わらせる決意を固めるための一人旅の計画だったんです。人生のリスタートを切りたかった。でも、私はとことん弱かった。結局、旅行の計画を彼に伝えてしまい、現地で合流しました。本末転倒ですよね。
それでも、沖縄の夜はいまでも忘れられない。綺麗な満月で、星が輝いていて……。宿の屋上に上がって、ふたりで椅子に並んで、iPadで大好きなB’zのライブ配信を見ていた。言葉にできない、素敵な夜だった。
いま思えば、私は豊田さんに別れを告げながら、どこかで彼が小川さんとの関係を清算し、自分のところに来てくれる日を願っていたのかもしれません。