飛行機のタラップで手を振る辻政信。国内で姿を見せたのはこれが最後となった

飛行機のタラップで手を振る辻政信。国内で姿を見せたのはこれが最後となった

 たとえば、『潜行三千里』という書名は、一節には当時の大人気作家・吉川英治が付けたともいわれている。だが、黍野は自叙伝の中で、自身が提案したと明かしているという。

「黍野は、辻から新たな手記を書き上げたといわれ、原稿を読んで表題を考えてほしいと頼まれたそうです。その原稿を一気呵成に読み終えた黍野は、思い立ってコンパスを使い、バンコクからハノイ、重慶、南京、上海、佐世保までの距離を測ったところ、その距離は約1万2000km、つまり3000里だった。そこで、紙に『潜行三千里』と書いて辻に渡し、それが採用されたとしています。もちろん、書名だけでベストセラーになったわけではありませんが、この書名のインパクトは非常に大きかった。ただ、『潜行三千里』が辻の失踪と絡めて語られるようになっていったのは、ある意味で皮肉なことだったと思います」(前田氏)

 さらに黍野の自叙伝には、辻が最後に東南アジア視察へと向かう前に明かしていた、ある目的についても記されており、前田氏の著書には2人のやりとりが再録されている。

 敗戦から76年、辻政信の失踪から60年を経てもなお、解明すべき“謎”は多い。

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