ライフ

歴史探訪東京さんぽ 広重が描いた吾妻橋から望む浅草寺の今

歌川広重『東都名所浅草金竜山下東橋雨中望』1840年(写真/国立国会図書館)

歌川広重『東都名所浅草金竜山下東橋雨中望』1840年(写真/国立国会図書館)

 雨の中、浅草寺の五重塔や本堂などを「東橋」から望む、と題された浮世絵『東都名所浅草金竜山下東橋雨中望』(1840<天保11>年)は、初代歌川広重の作品。この浮世絵をたよりに“歴史探訪東京さんぽ”へ出かけよう。

「東橋」とは現在の吾妻橋のことを指している。川に面したところには料亭が並んでおり、人々が雨の中で食事を楽しんでいる様子が描かれている。現在の吾妻橋付近から、浅草寺方面を望んでも、高層ビルに囲まれて、浮世絵と異なり浅草寺は隠れてしまっている。

「この浮世絵が非常に珍しいと感じるのは、川に面したところに砂地が描かれていることです。水害が起こればすぐに流れてしまうような環境ですが、当時の隅田川の沿岸には、こんな光景が広がっていたのだろうか、という想像をかきたてます」(岡田美術館・小林忠館長)

 言わずもがな、浅草寺は都内最古の寺院として知られる。参道の仲見世通りには約90軒の店が建ち並び、年間の参拝者は約3000万人という都内屈指の観光スポットだ。

※週刊ポスト2021年7月2日号

現在の吾妻橋付近から、浅草寺方面を望む。高層ビルに囲まれて、浅草寺は隠れてしまっている(写真/内海裕之)

現在の吾妻橋付近から、浅草寺方面を望む。高層ビルに囲まれて、浅草寺は隠れてしまっている(写真/内海裕之)

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン