「今年こそ大阪のファンに歌声を届けたい」──その思いは、またも叶わなかった。5月20~21日に大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で予定されていた松山千春(65才)のコンサート。チケットは完売し、ファンはその日を待ちわびていたが、直前に公演中止が発表された。
当時は緊急事態宣言が延長され、無観客開催が要請されていたが、最近になって、中止の理由が「宣言延長」だけではなかったことがわかった。発端は6月24日、小野寺五典元防衛相(61才)が、自身のツイッターに投稿した、こんな「つぶやき」だった。
《ワクチン接種のためコンサートを中止し自衛隊に会場を提供下さいました。改めて千春さんに感謝とファンの皆様にお詫びを》
詳細を芸能関係者が語る。
「新型コロナワクチンの大規模接種をスムーズに進めるため、千春さんが、コンサートホールを接種会場に提供した、という内容でした。宣言が延長されたとはいえ、チケットは完売していたので、コンサートを強行、あるいはリモートで行うなど、中止以外の選択肢もあったはず」
この松山の“神対応”は、すぐさまインターネット上で拡散され、Yahoo! JAPANのリアルタイム検索で「松山千春」がトレンド入り。
《千春さん 漢ですねえ!!》
《国民の為に会場を譲る心意気。素晴らしいですね》
などの称賛の声が相次いだ。
「千春さんの男気あふれるエピソードは過去にもあります。故郷の北海道をこよなく愛する彼は2007年、財政破綻した北海道夕張市を盛り上げるために地元商店街を訪れ、100万円相当の商品を“大人買い”。しかもこのとき購入した商品は、毎年千春さんが慰問で訪れる札幌市内の児童養護施設に寄付したんです。その後、夕張市民を元気づけるために無料コンサートも開きました」(前出・芸能関係者)