『ドラえもん』を描いた藤子・F・不二雄氏は、恐竜が大好きで『ドラえもん』の中でもひみつ道具を使い、何度も恐竜時代に冒険に出かけている。1980年に映画も公開された『大長編ドラえもん』の第1作目は『のび太の恐竜』。フタバスズキリュウの子どもをのび太が育て、白亜紀に送り返す物語。ピー助とのび太の別れに涙した人もいるかもしれない。
短編の「恐竜の足あと発見」(てんとう虫コミックス第44巻収録)は、足跡化石発見のニュースに興奮したのび太が、ドラえもんと一緒に恐竜時代へ行って足跡をつけさせようとする話。『ドラえもん』には、この他にも数々の恐竜が登場する短編がある。今回のび太の名前が恐竜に命名されたのも、藤子・F・不二雄氏の恐竜への強い思いがあったからだといえるだろう。
国立科学博物館・副館長の真鍋真氏はこう語る。
「ノビタイは肉食恐竜の足跡なので、のび太くんもきっと喜んでくれるのではないかと思います。足跡からノビタイの姿を想像したり、体の化石を探したくなったりと、今後への夢も広がります。これをきっかけに、子どもたちの中から恐竜や足跡化石の研究者が育ってくれたら嬉しいです」
ノビタイの足跡化石のレプリカは、日本でも今後「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」で、11月30日からは東京・上野の「国立科学博物館」で公開される予定となっている。レプリカを見ることで、1億2500万年という悠久の時に思いを馳せてみてはいかがだろうか。