スポーツ

G菅野、C田中らプロ選手を多数輩出 東海大相模の名将が最後まで貫く「野球魂」

今夏限りでの退任を表明している東海大相模の門馬敬治監督(時事通信フォト)

今夏限りでの退任を表明している東海大相模の門馬敬治監督(時事通信フォト)

 夏の甲子園で全国屈指の強豪といえば、神奈川の東海大相模の名が必ず挙がるが、同校を長年率いてきた名将、門馬敬治監督(51)が今夏限りで退任する。いったい門馬氏とはどんな監督だったのか。『激戦 神奈川高校野球 新時代を戦う監督たち』(インプレス)などの著書があるスポーツライターの大利実氏が、過去の取材エピソードを交えて振り返る。

 * * *
 7月1日の朝、衝撃的なニュースが飛び込んできた。東海大相模の硬式野球部を率いる門馬敬冶監督が、今夏限りで退任。「健康上の問題」が大きな理由だという。

 1999年に監督に就いてから、今春センバツを含めて春夏4度(2000年春、2011年春、2015年夏、2021年春)の全国制覇を誇り、菅野智之(巨人)、田中広輔(広島)らプロ野球の世界で活躍する教え子も多い。同じ1969年生まれの大阪桐蔭・西谷浩一監督とともに、高校野球界をリードする指導者のひとりである。

「指導者の本気は伝わるからね」

 2019年春以降、激戦区・神奈川で県内公式戦41連勝、6季連続優勝と圧倒的な強さを見せる。ライバル校の監督は、東海大相模を倒すためにさまざまな取り組みをしているが、それは、「打倒・相模=打倒・門馬監督」でもあった。

 日大藤沢の山本秀明監督(元中日・山本昌氏の実弟)は、「ショック。本当にショックです……。門馬さんの最後の夏、絶対に東海大相模と戦いたい」と口にする。2019年夏は決勝でぶつかるも、1対24とすさまじい攻撃力を見せつけられた。

「能力の高い選手が練習によってさらに成長しているのが、相模の強さ。特に、投手対打者の1対1になったときに芯の強さを感じます」

 今春3回戦、延長で惜敗した平塚学園・八木崇文監督は、「勝利への執念の差」と悔しさを滲ませた。チーム作りで悩んでいたときには、門馬監督から「指導者の本気は伝わるからね。監督が本気じゃないと、選手も本気にならないよ」と金言をもらったこともある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン