スポーツ

名古屋場所観戦の山根明元会長「白鵬の取組は大横綱の相撲ではない」

当日の観戦スタイル。マスクには「男」の文字が

当日の観戦スタイル。マスクには「男」の文字が

 横綱・白鵬は6場所連続休場明けとなる大相撲名古屋場所で、大関・照ノ富士との千秋楽結びの一番での全勝対決を制し、45回目となる優勝を果たした。しかし、立ち合いでの強烈なカチ上げや14日目の大関・正代戦で見せた変則的な立ち合いなどには、「横綱に相応しくない」との批判の声もあがっている。

「勝負というからには勝たないといけない。しかし、相撲は日本の国技だからね。日本国民の中には理想の横綱像がある。それを裏切る15日間だったことは間違いないね」

 そう話すのは、名古屋場所千秋楽で、向正面の溜席に姿があった日本ボクシング連盟第12代会長の山根明氏(81)だ。山根氏は過去にも、名古屋場所の溜席に姿を見せるなど、熱心な好角家としての一面がある。

「日本国籍に帰化した白鵬だが、最初は日本語もわからない状態のまま15歳でモンゴルからやってきて、相撲部屋に入門した。日本人力士より苦労し、人一倍稽古してきた結果であることは、45回という歴史的な優勝回数が証明している。大鵬の32回と比べても、この記録は偉大。日本人にはできないでしょう。日本人となった白鵬は日本の宝ですよ。その白鵬に期待したいのは、引退後に国技の伝統を受け継いでいく若い力士を育てること。そのためには若い力士の手本になるような土俵を務めてもらいたい」

 初日から立ち合いの張り手を繰り出した白鵬だが、批判が集中したのは14日目の正代戦だった。仕切り線のはるか後方、徳俵近くで仕切るという変則立ち合いを見せた。照ノ富士と全勝対決となった千秋楽では、立ち合いで左手を伸ばし、その直後に右からの強烈なアッパー気味のカチ上げを繰り出した。

「ガキの頃からいろんな大人が話しているのを聞いたが、横綱は正々堂々と受けて立ち、がっぷり四つに組み、その形が得意か、不得意かに関係なく相手をねじ伏せるものだという。これが正しいのか間違っているのかわからないが、横綱について大人たちがそのような表現をしていた。もちろん横綱もピンキリだが、(正代戦の仕切りや照ノ富士戦の張り手・カチ上げは)日本の宝である白鵬がやるような相撲ではないと思ったね。

 白鵬は体つきにしても、大相撲にもってこい。あんなチャチなことをしなくていいんじゃないか。たしかに勝負は勝ってなんぼ。きれいごとを言ったんではダメです。それに関しては100%わかります。俺自身もアマチュアボクシング競技の責任者として海外遠征が217回ありましたが、勝つことに値打ちがあった。だけど、横綱・白鵬はそのような奇策をやらなくとも、勝てる実力を持っている。やるべきじゃなかったね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン