芸能

B.B.クィーンズ坪倉唯子が明かす『おどるポンポコリン』のレコーディング秘話

B.B.クイーンズはいま、近藤房之助(左)と坪倉唯子(右)の2人で活動

B.B.クイーンズはいま、近藤房之助(左)と坪倉唯子(右)の2人で活動

 いまから約30年前の1990年。それはまだまだ日本が元気な時代だった。特にCDが普及し、ミリオンヒットが連発。音楽業界史上空前のバブル期であったといえる。そんな1990年のヒット曲といえば、B.B.クィーンズの『おどるポンポコリン』だ。

 この曲は、作詞・さくらももこ、作曲・織田哲郎、歌唱がB.B.クィーンズという分業制。B.B.クィーンズは、日本のブルースシーンを支え続けてきた近藤房之助と、数々のセッションを経験してきたベテランシンガーでコーラスクイーンの坪倉唯子などから成る実力派グループだ。

 分業で企画性のある曲作りを行うのは1990年代にブームを起こす音楽制作会社ビーイングの得意とするところ。ビーイングの創設者で音楽プロデューサーの長戸大幸さんは、マンガ『ちびまる子ちゃん』に感動して作者のさくらももこさんに会いに行き、そこでテレビアニメ化の話を聞いたのが、ことの始まりだった。

 作詞を手がけたさくらももこさんは、『まる子、みんなにばかにされるの巻』というエピソードの中で、将来の夢をまる子に語らせている。音楽ジャーナリストの柴那典さんはこう語る。

「それはテレビばかり見ているまる子に父ヒロシが『将来、何になるつもりだ?』と質問する場面で、まる子が植木等の映るテレビを指し、『クレージーキャッツに入りたい』と答えると、ヒロシが『それは無理だ』と肩をすくめる。すると、まる子は『じゃあ、この歌を作った青島幸男さんみたいになりたいよ』と言うのです。そのせりふ通り、十数年後に作った歌で“ピーヒャラピーヒャラ パッパパラパ”と、ナンセンスで明るい歌詞が世を席巻したのです」

 つまり、『おどるポンポコリン』はさくらももこさんが「青島幸男さんみたいになる夢」を叶えた曲なのだ。

 そんな『おどるポンポコリン』の誕生秘話を、B.B.クィーンズの坪倉唯子さんはこう振り返る。

 * * *
 1990年、B.B.クィーンズは8人体制で始まりました。ビーイングが作った新しいレーベルRhizomeからのアーティスト5人(近藤房之助、増崎孝司、栗林誠一郎、望月衛介、坪倉唯子)と、後に「Mi-Ke」となる3人(宇徳敬子、村上遙、渡辺真美)です。

 テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』はスゴい人気だと聞いていて、そのエンディングを歌えるなんて、「スゴ〜い! スゴすぎる!」と大興奮でした。

 でも実は原作をまだ読んでいなくて、歌入れのスタジオでプロデューサーの長戸大幸さんから手渡された単行本の1巻を読み始めたのをよく覚えています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン