私はもともとアニメソングを何作品か歌っていたので、レコーディングのときも違和感ゼロ。でも、ヴォーカルディレクションはキビしく、「小学3年女子はそんな歌い回しはしない!」と何テイクも歌い直しました。
録音時はテープの回転を落として録って、それを元に戻す方法でレコーディングしていたので、私なりに滑舌や発音に気をつけました。
それでも、ノッて歌うと踊っちゃう! 踊りながら歌うと自分が出て「小3女子」でなくなるので、肩幅に足を開いて仁王立ち、手はドラえもん(ジャンケンのグーの形)で歌いました。これ、私には結構つらかったです(笑い)。
房ちゃん(近藤房之助)は、歌い出しで急にあの高さのテンションでシャウトして「Yeah〜♪」って歌ってますけどスゴイ大変で、あれをやりきってる房ちゃんはカッコいいですよ。
B.B.クィーンズは当初は覆面バンドで、表に出ることはないと思っていました。でも、あの衣装でテレビ出演することになって……。
かつらは「もしも、まるちゃんが歌手になったら……」という私のリクエストで、おかっぱになりました。衣装のおかげで面も割れていないので、『おどポン』が大ヒットになったことはだいぶ他人事でしたね。
とはいえ、その年の夏、中島みゆきさんのツアーに参加していたんですが、ツアー先でもいたるところで『おどポン』がかかっていたのでビックリしてました。
私にとって『おどるポンポコリン』は“使命”です。いつまでもこの曲をちゃんとイメージ通りに歌っていけるよう頑張れるんです! 歌えなくなったらどないしょー、とおびえる58才でゴザイマス(笑い)。
取材・文/北武司
※女性セブン2021年7月29日・8月5日号