「盛り上がるわけがない」
コロナ感染が再拡大する中での競技実施に、北の大地の住民たちは歓迎一色とはほど遠いようだ。札幌市民はどう受け止めているのだろうか。
「今は札幌の夏は非常に暑く、リスクがある中でわざわざ札幌に来てマラソンや競歩をやるなんて冗談としか思えませんね。周囲のスポーツ好きの一部の人たちはサッカーの予選のチケットを競って入手していましたが、急遽無観客となってがっかりしているようです。
コロナ感染が拡大しているときにマラソンなんて迷惑だという人もいますが、私の周りに関しては大半が無関心ですね。マラソンやサッカーというよりも、開催意義を見出せない五輪そのものに関心がなくなってしまったようです」(札幌市内の大学に勤務する60代の教員)
ネット上などで市民らの声をピックアップしてみると、冷ややかなものが多い。
「市民も楽しみにしていた札幌マラソンは2年連続で中止が決まったのに、オリンピックのマラソンだけ強行されるなんて納得がいかない」
「マラソンの開催がIOCの一方的な決定で札幌に変更されたとき、メディアは札幌のコースをボロカスに言っていた。そのうえコロナ拡大状況下での強行開催でしょ。今からでもやめてほしい」
「市民が沿道での応援を自粛しても、道外からの観光客はどうだろうか。心配だ」
「ラグビーワールドカップのときはドーム近隣の店は暴動の予防策としてシャッターを下ろしていましたが、今回のサッカー予選は無観客だったからひっそり。盛り上がるわけないですよ」
不自由を強いられる市民たち
市内ではマラソン、競歩に向けて厳しい交通規制が敷かれる。駅前通りの大通公園3丁目と4丁目の間は、なんと13日間通行止めになるという。この規制には悲鳴が上がっている。
「夏休みシーズンの書き入れ時に商業地で何日も交通規制されては商売になりません」
「配送トラックの荷物運搬どうするのか。コンビニ、スーパー、デパートみんな困ってしまう。郵便や宅急便も遅れそう。交通規制だけでもすごい迷惑」
さらに、SNS上には日よけテントが撤去された果物店の画像がアップされていた。投稿主は「景観が悪いと強制撤去されたそうです。2時間のために50年を。ひどい」と書き込んでいた。この投稿はかなりの反響を呼んでいるようだ。
札幌でのマラソン、競歩は、一般市民らの沿道応援を締め出し、市民生活に大きな不自由を押し付けての開催となる。