ライフ

1日30秒の健康術 「土下座」をすればするほど長生きできる

基本のポーズ

基本の土下座のポーズ

【NEWSポストセブンプレミアム記事】

「土下座」はかつて、大名などの貴人に最敬礼を示すための姿勢だった。だが、令和の世のどこにも、そんな相手はいない。私たちが最も尊ぶべきは、自分自身。心と体の健康のためには、たったひとりで、自分のために土下座するのが正解だ。

 ヨガインストラクターの半田ひろみさんによると、土下座は「チャイルドポーズ」「休憩のポーズ」といわれ、心身をリラックスさせるのに適しているという。

「床に正座し、両手をついて“土下座”の体勢になったら、床につけた手を前方にすべらせるようにして、できるだけ遠くに伸ばします。すると、肩まわりの筋肉の緊張が取れて、肩こり解消につながるほか、背中や腰まわりの筋肉がリラックスすることで、自然と深くゆっくりした呼吸ができるようになります」(半田さん)

 ストレスや緊張を感じているときは、呼吸が浅く、速くなる。すると、肺の真下にある横隔膜が充分に動かない。アスレティックトレーナーの森本貴義さんによれば、呼吸において最も重要なのは横隔膜だという。

「現代人は、呼吸するときにほとんど横隔膜を使えておらず、呼吸のたびに肩や首の筋肉に余計な力が入っています。慢性的な肩こりや首こりは、呼吸が浅くて速いことにも原因があるのです」(森本さん)

 土下座の姿勢を取ることによって、肩や首の筋肉をゆるめながら、横隔膜をしっかりと動かして、深くゆっくりした呼吸ができるのだ。

「横隔膜には自律神経が密集しているため、深くゆっくりした呼吸を繰り返すと、乱れた自律神経を整えることにもつながります」(半田さん)

 自律神経は、呼吸のほか、睡眠や消化、血流など、全身のあらゆる生命活動を管理しているため、深くゆっくりした呼吸をすることで、全身の機能を高めることができる。さらに、疲労回復や免疫力の向上も期待できる。

「正しく呼吸できると、充分な酸素供給によって脳や全身の細胞が活性化するとともに、老廃物の排出もスムーズに行われるようになります。また、血行がよくなることで毛細血管のすみずみまで血液がめぐり、それと同時にウイルスや細菌などに対抗するリンパ球が増えるのです」(森本さん)

 確かに、頭も腕も床に預けると、体の力を抜きやすい。だが、ただ“ひれ伏す”だけでは、完璧とはいえない。さらに土下座の効果を高めるには、「鼻呼吸」が大切だ。

「土下座するときは、ひたいを床につけてください。背中や腰を丸めて力を抜き、全身を重力にゆだねながら、鼻から息を吸って、鼻から吐きます。これにより、無理なく自然に深呼吸ができ、より大きく横隔膜を動かすことができます。最低でも、30秒~1分程度かけて、鼻での深呼吸を10回以上行ってください。おすすめは、夜、寝る前に行うこと。副交感神経が優位になって、眠りの質が上がります」(半田さん・以下同)

関連キーワード

関連記事

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン