石橋克彦氏(写真/共同通信社)
そして予知は「できない」が“公式見解”に
2011年の東日本大震災は、M9.0の“想定にない”巨大地震となった。
その4年後、日本地震学会は地震予知について〈現時点で、地震予知(警報につながるほど確度の高い地震予測)を行うのは非常に困難〉との立場を示した。
ただし、地震学会は〈将来的に地震予知はできないとの意見を表明しているものではありません〉と続けている。予知情報によって、被害を大幅に減らすことができる日は来るのか。
【地震予知の150年】
●1858年:佐久間象山が地震予知器を発明。
●1876年:明治政府が招聘したジョン・ミルンが来日。
●1891年:濃尾地震が発生。震災予防調査会が発足。
●1923年:大正関東地震(関東大震災)が発生。東京大学地震研究所が発足。
●1962年:地震予知のブループリントが出される。
●1976年:石橋克彦氏(当時・東京大学)が「駿河湾地震説」を発表。
●1995年:兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)が発生。従来のブループリントが見直され、「新地震予知研究計画」が発令される。
●2003年:十勝沖地震が発生。1952年の十勝沖地震と同じ震源であると確認される。
●2011年:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生。
※週刊ポスト2021年8月20日号