今年のゴールデン帯放送は4回のみ
ただそれでも現実は厳しく、視聴率は上向かず、視聴者層の高齢化から抜け出せないまま、放送回数は減っています。
ここまでゴールデンタイムで放送されたのは、開幕戦の3月26日、4月15日、4月20日、6月30日の4試合のみで、視聴率は順に、個人全体4.9%・3.1%・3.5%・3.3%、世帯8.8%・5.6%・6.1%・5.9%と低迷。その他は土日午後に関東ローカルで月に何試合か放送される程度であり、もはや「限界まで減らした」というレベルでしょう。
関東以外の日本テレビ系列局が「今週はプロ野球中継があるから……」と頭を痛めていることもあり、制作サイドにとっては明るい兆しがほしいところ。しかし、前述した試みは、ここまで技術的なもの以外、批判の声が多いだけに、今回の結果は今後のプロ野球中継を左右しかねません。
「プロ野球をよりディープな目線からも見てもらおう」「視聴者自身も参加している気分で楽しんでもらいたい」という狙いの“野球脳サバイバルナイターグランドチャンピオンシップ”は視聴者に受け入れられるのか。
生中継という特性を生かした試みだけに、うまくいけばCSや動画配信サービスの視聴者を地上波に誘導したり、ネット上でバズったりする可能性もあるでしょう。その意味で関係者たちは、レジェンドと亀梨さんの予想がズバズバ当たって盛り上がることを願っているのかもしれません。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。