昭和天皇が“宿泊リハーサル”
2年前の御代がわりの儀式「即位礼正殿の儀」において、陛下が高御座に上られ、即位を宣明されたシーンは記憶に新しい。それが行われたのが、宮殿の正殿・松の間だった。宮殿には、文化勲章親授式や歌会始の儀など皇室の主要な儀式で使用される「正殿」のほかに、一般参賀で皇族方が並ばれる長いベランダのある「長和殿」などがある。
「天皇ご一家のプライベートなエリアとされるのが表御座所です。陛下の執務室である『菊の間』、内奏や報告を受けられる拝謁室『鳳凰の間』、談話室の『芳菊の間』のほかに、皇后専用の『桐の間』や侍従の部屋が並んでいます。ご一家はおそらくここで暮らされることになるが、住居として想定されていないので、寝具などを持ち込む必要があります」(皇室関係者)
『昭和天皇実録』によれば、昭和天皇は訪欧前の“宿泊リハーサル”として、表御座所に宿泊したことがある。食事は芳菊の間、着替えは萩の間、寝室として花の間を使用したと記されている。
「宮殿の地下には、天皇ご一家の食事を担当する『大膳課』の事務室や厨房もあり、食事にも困らないでしょう。とはいえ、昭和天皇でさえ“リハーサル”で泊まられただけの場所です。緊急事態宣言の解除を待って引っ越された方が、ご不便をかけることもなく、よかったのではないかと思うのですが……」(別の宮内庁関係者)
宣言明けまで待つといっても2か月ほどのはず。なぜ両陛下はお引っ越しを迅速に行うことにこだわられたのだろうか。
お忍びで宮内庁病院へ
前述の通り、美智子さまは2020年3月から、上皇陛下と仙洞仮御所にお住まいだ。長引くコロナ禍で、美智子さまは「おこもり生活」を徹底されている。
「娘の黒田清子さんともお会いになっておらず、側近たちと顔を合わす機会も制限されているそうです。最近は、ご近所のマンションに住む学生時代のご友人と手を振り合われるのが楽しみだそうです。約束の時間を決め、ご友人はベランダで、美智子さまはお庭で、待ち合わせをされているようですよ」(前出・別の宮内庁関係者)
そんな美智子さまに、新たなご心配事が浮上したという。前出の宮内庁関係者の話。
「近頃、美智子さまのご体調が優れないようなのです。今年6月の定期検診で、心不全の診断指標となるホルモン値が正常値を上回っていることが発覚しました。原因は不明だということです。美智子さまはゆっくり歩かれていても、時折立ち止まり、はあはあと息を切らされることがあるそうです。かなりおつらいのではないか」