日医工の工場には厚労省の立ち入り検査が入った(2021年3月/時事通信フォト)

日医工の工場には厚労省の立ち入り検査が入った(2021年3月/時事通信フォト)

同じ部分と別の部分が

 前出・岡田医師が解説する。

「そもそも薬は主成分だけでは効果を発揮しません。主成分以外の添加物や製造方法で調整して、目指す薬効に合わせた技術を加えます。ところがジェネリックが使えるのはあくまで主成分に関する特許であり、錠剤の製造方法などの特許期限が切れていなければ、同じ技術は使えません。薬を変えた時に違和感が生じるのは、主成分以外の技術が異なるからである可能性があります」

 医薬品類に関する主な特許は3つある。新薬の化学構造(主成分)に対する「物質特許」と、製法に対する「製法特許」、錠剤・散剤・注射剤など剤型に対する「製剤特許」だ。いつき会ハートクリニック院長の佐藤一樹医師が解説する。

「後発薬として認められるための条件は、『物質特許が切れている』ことと、『効果が先発薬と同等(±20%)と証明する』ことの2つです。しかし、薬は有効成分が体内でどう吸収されるかで効き目に違いが出るもの。化学構造についての特許が切れていても、吸収技術に関わる製法特許や製剤特許が切れていなければ、先発薬とジェネリックは“別の製品”です」

 そうしたなかで、注意しなくてはならないのが「アレルギー反応」による不調だ。

「それまで何年も飲み続けていた先発薬では問題がなかったのに、ジェネリックに変えたらアレルギー反応が出る患者さんがいらっしゃいます。ハンバーグなどで『つなぎ』が使われるように、薬でもつなぎや溶けやすさ、滑らかさを出す成分などの様々な成分が添加されています。

 先発薬とジェネリックではそれが異なる。もちろん、先発薬の添加剤が体に合わなくて、ジェネリックのほうが良いケースもありますが、長年飲んできて不調を感じなかった薬であれば、変えることによるリスクがあることを認識しておきたい。異なる添加物が体に合わずにアレルギー反応が出るケースがあります」(同前)

 そうした“体に合う、合わない”という要因があるからこそ、「ジェネリックをやめて先発薬に戻したら健康になった」という患者の声が存在するわけだ。処方を受ける側も、「ジェネリックに変えますか?」と聞かれた時に、値段が安くなるからと安易に首をタテに振りがちだが、これまで薬によるアレルギーなどの副作用既往歴があるかを確認し、医師や薬剤師と情報共有して相談する必要があるということだ。

 また、添加成分が異なることで「効き目の時間」が変わる薬もある。

「気管拡張薬のテープ製剤でこんな例があります。先発薬はゆっくり持続的に効果を発揮しますが、ジェネリックは皮膚からの吸収が速く、効き目がすぐに出てしまう。急に効くことで、副作用の『動悸』が起こりやすくなります。また、生活する時間やリズムによっては薬の効き目が急に訪れることで『体調不良』だと感じることもある」(同前)

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