「もともと1980年代から1990年代にかけて、専門家の間では温暖化が進むことで自然災害が増加することが予測され、議論の対象となっていました。
温暖化そのものが与える影響に加え、大雨が増えることへの懸念の声も多く上がっていました。なぜなら、気温が上がれば上がるほど、空気に含まれる水蒸気が多くなる。この水蒸気が上昇して雲になって雨を降らせるため、地球温暖化で気温が上昇するほど、雨が多くなるのです」(森さん)
水蒸気をたっぷり含んで湿った空気が上昇気流に乗ると、雷雨や雹などをもたらす積乱雲が発生する。
「この積乱雲が縦に数珠つなぎのように連なると、同一エリアに強い雨が降り続ける『線状降水帯』が発生し、集中豪雨を生み出します」(森さん)
つまり、温暖化と豪雨は相乗関係にあるということ。この世界的な気温上昇の波が収まらない限り、止まない雨に悩まされる日々は続くだろう。
※女性セブン2021年9月23日号