ドSで生意気な金持ち男子高校生役を熱演(写真/公式HPより)
兄の新田も2017年公開の『ピーチガール』などの少女マンガの実写化作品などに顔を見せ、アイドル的な役柄も通過してきた。新田と比べればいまの眞栄田とは大きなキャリアの差があるように思えるが、そもそもアメリカで活動をスタートさせた新田とは基礎力も経験値も違うはずだろう。現在の眞栄田は、さまざまなタイプの作品・役柄に挑み、場数を踏んでいる段階と言えるのかもしれない。作品を重ねることで、さらに得意な役どころも生まれてくるのではないだろうか。
とはいえ、新田にはない眞栄田の強みもある。先述したドラマでの活躍もあり、いまの眞栄田はお茶の間での浸透力は高い。これは、ドラマ以上に映画を主戦場にしてきた新田には無い点だ。眞栄田は、『プロミス・シンデレラ』の前には『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)にもレギュラー出演しており、2クール連続での連ドラ出演となっている。年始に放送された『教場II』(フジテレビ系)でも、警察学校を舞台に、これまた次世代を担う多くの若手俳優が顔を揃える中、猟奇的な役どころに扮して強烈なインパクトを残した。キャリアを重ねるごとに物語を引っ張る役どころを担い、早くもお茶の間の顔として人気を得つつあるのだ。“分かりやすさ”が求められるテレビドラマだからこそ得られる表現力も、映画での表現と同じくらい重要なのではないのだろうか。兄の新田とはまた異なる輝き方をしていると思う。
【折田侑駿】
文筆家。1990年生まれ。映画や演劇、俳優、文学、服飾、酒場など幅広くカバーし、映画の劇場パンフレットに多数寄稿のほか、映画トーク番組「活弁シネマ倶楽部」ではMCを務めている。
兄の新田真剣佑