芸能

9月にバラエティが続々終了 最終回を民放各局が注視する理由

『有吉反省会』は9月で終わる

『有吉反省会』は9月で終了

 この秋、多くのバラエティ番組が終了する。その中には、長らく視聴者に親しまれたものも少なくない。すでに最終回を迎えネット上で惜しむ声が上がった番組もあるが、民放各局はこうした最終回放送前後のネットの反応を注視しているという。その理由とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 民放各局の番組改編会見が終了し、新番組に関するニュースと、それを見た人々のコメントがネット上をにぎわせました。ただ今秋の改編で、新番組と同等レベルで注目を集めていたのが、9月で終了するバラエティ。長年親しまれてきた番組や、希少な視聴者参加番組などが多数含まれていたことに賛否の声が飛び交いました。

 9月で終了する主な番組を挙げていくと、日本テレビ系が『有吉反省会』『おしゃれイズム』『幸せ!ボンビーガール』『アナザースカイ』『ウチのガヤがすみません!』。テレビ朝日系が『あいつ今何してる?』『日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館』『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』『パネルクイズ アタック25』(ABC)。TBS系が『ぴったんこカン・カン』『爆報!THEフライデー』『教えてもらう前と後』(MBS)。フジテレビ系が『超逆境クイズバトル!!99人の壁』(特番に移行)などがあります。

 実際、早くも14日に『幸せ!ボンビーガール』、16日に『ハナタカ!優越館』の最終回が放送されましたし、9月30日までの残り2週間弱ですべての番組が終了する予定です。

 季節ごとに最終話が放送されるドラマとは異なり、バラエティの最終回は「打ち切り」というムードが漂い、視聴者にとっては「寂しく終わっていく」という印象があるのは否めません。しかし、このところ民放各局の関係者たちから、「最終回の放送前後はネット上のコメントを注視している」という声を聞くようになりました。なぜ終了が決まっているバラエティへの反応を気にかけているのでしょうか。

“失敗”ではなく“復活”もありえる

 これまでバラエティが終了する理由の多くは視聴率の低迷によるものでしたが、最近の会見では編成担当者が「総合的に判断させていただいた」とコメントするケースが増えました。これは視聴率だけでなく、費用対効果、コロナ禍の影響(スタジオの密や海外ロケの難しさなど)、マンネリを避けるため、当初の目的を達成など、さまざまな要因によるものです。

 つまり、バラエティの終了は「必ずしも“失敗”のらく印を押されたわけではない」ということ。たとえば、日本テレビの『有吉反省会』『おしゃれイズム』『アナザースカイ』は固定ファンが多く、視聴率もまずまずであり、「余力を残した状態で終わらせよう」という姿勢がうかがえます。これは「もっと大きな数字を狙いたい」「もっと若年層に刺さる番組を作ってテレビの存在価値を高めたい」などの前向きな姿勢によるものでしょう。

“失敗”のらく印を押されたわけではない以上、「最終回放送時の反響を知っておきたい」と考えるのは自然な思考回路。「どのくらい惜しまれているのか」「どこが好きだと思われていて、最近はどう思われていたのか」「長寿番組を終わらせるとどうなるか」などを注視し、マーケティングとして今後に生かそうとしているのです。

 しかもこれらの声は通常放送時には得られず、「番組を終わらせるからこそ引き出せる」というもの。だからテレビマンたちは、自局だけでなく他局の番組も含めて、最終回にかかわる動きを注視しているようです。

関連記事

トピックス

万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン