諦めるのはまだ早い
ホンダに限らず自動車メーカーは失敗すると自信を失い、その商品のどこが悪かったのかを異常に気にする習性がある。だが、第4世フィットのように本気モードでフルスイングし、それが豪快に空振りしたというケースの場合、そういうアイデアで動くとかえってドツボにハマることが往々にしてある。
品質を伴ったミニマリズムの良さをどれだけ顧客に伝えられるか(フィットクロスター)
聞くところによると、第4世代フィットは他メーカーの顧客を引き込むことにほとんど成功していないという。それをクルマのせいにするのは簡単だが、質の良さを伴ったミニマリズムが人間にとって心地よいのだという信念があるのなら、そのことをどうやったら顧客に伝えられるかという工夫をもっとしっかりやるべきだ。
それをやりきってなお無理なようなら、その時こそ諦めて、安いクルマ作りをやるのもいいだろう。だが、筆者が見る限り、ホンダはまだその段階には至っていない。この先どういう奮起と策を見せてくれるか、興味深いところだ。