ビジネス

新型は納車2年待ちの「ランドクルーザー」 なぜ世界中で高い信頼を得られたのか

14年ぶりにフルモデルチェンジした新型ランドクルーザー(トヨタ)

14年ぶりにフルモデルチェンジした新型ランドクルーザー(トヨタ)

 8月に約14年ぶりの新型が登場したトヨタ自動車のクロスカントリー4WD「ランドクルーザー」(300シリーズ)。その人気は国内のみならず海外でも凄まじく、いま注文しても納車までに2年以上待たされるという状態だ。果たして新型ランクルの魅力はどこにあるのか──。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏がレポートする。

 * * *
「ランドクルーザー」は1951年の初代誕生から70年にわたって販売されたトヨタブランドで最も古いモデル。世界170の国と地域に累計1060万台が販売され、今も年間30万台以上も売れる人気モデルです。

 なぜ「ランドクルーザー」が高い人気を誇るのでしょう? それには2つの理由が考えられます。

ランクルの源流となった「トヨタジープ」(BJ型/1951年)

ランクルの源流となった「トヨタジープ」(BJ型/1951年)

日本の10倍も海外で売れている理由

 ひとつは「トヨタブランドで、一番高いクルマ」というステイタスです。実際には、もっと高額な「センチュリー」や「MIRAI」も存在しますが、世界中で販売されるトヨタ車としては、510万~800万円する「ランドクルーザー」が一番となります。ちなみにレクサスは別枠です。

 そうしたステイタス性は、日本のような舗装率が高い先進国の都心部ユーザーの重視するところでしょう。もちろん、そこには後ほど説明する、世界での「ランドクルーザー」の名声というステイタスもプラスされています。

 そして2つめの理由は、世界での高い評価。それが実用車としての高い実力です。端的に言えば「壊れない(耐久性と信頼性)」ことと「優れた悪路走破性」があること。そして、この「壊れない&悪路走破性」が、高いステイタスの理由にもなります。

「ランドクルーザー」は、日本よりも海外のほうがはるかに数多く販売されています。日本での販売は、年間2~3万台ほど。ところが年間の販売台数は約30万台。つまり、日本の10倍近い数が海外で売れているのです。

 人気のエリアは、中東やアフリカ、オーストラリアなど、リアルにクルマが酷使される地域だったりするのです。そんな地域で、「ランドクルーザー」は長年、「壊れない&悪路走破性」をモットーに販売されており、高い信頼を得ることに成功します。「ランクルであれば、どこへでも行って、生きて帰ってこられる」と思われる存在となっていたのです。

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン