「鯨肉は、海のジビエ」。そう語るのが、築地ボン・マルシェのシェフ薄公章(うすき きみあき)である。イタリア・トスカーナ州の有名リストランテで腕を磨いた薄は続ける。
「まずは上品で食べやすい尾の身を味わってほしい。鯨料理は昭和の時代から進化していません。だからこそ、鯨料理には無限の可能性がある。新たに考案した料理がいつか食卓に上るようになれば嬉しいですね」
日本では古くから捕鯨の伝統が見られ、食文化として鯨肉も親しまれてきた。1980年代後半から「調査捕鯨」が続けられたが、2019年から「商業捕鯨」が再開され、市場に出荷されている。進化した鯨肉料理を紹介しよう。
●鯨のさえずりのミートソースとイカスミタリオリーニ
クジラは、イカやエビなどをエサとする。「だからイカやエビと相性がいいんです。桜エビの食感とともに楽しんでほしい」(薄氏)。税込2980円。
●須の子のハンバーガー
オリーブオイルの代わりに鯨油を練り込んだバンズを使用。クジラの須の子(胸びれのつけね)は歯ごたえを楽しめる。税込1100円。
●尾の身の低温ローストと須の子のサラダ
脂がのった最高級の部位である尾の身を低温でローストする。柔らかくしっとりとした食感と、尾の身のうまみを味わえる。税込4980円。
●尾の身の白エビ&ウニ巻き
クジラと相性のいい白エビとウニを、最高級の尾の身の刺身で巻いた冷菜。「尾の身のおいしさに感動していただければ」(薄氏)。税込2980円。