だが、患者に薬を処方せず、「処方箋」を書く院外処方のクリニックの医師は儲けが大きいという。
「薬には先発薬の会社が付ける『商品名』と、有効成分を記した『一般名』があります。診療を終えた医師が処方箋に薬の名前を記載する際、一般名を書くと7点(ジェネリックが2品目以上ある場合)、または5点(ジェネリックが1品目の場合)が加算されます。
商品名を指定した処方箋だと薬剤師は特定の先発薬しか出せませんが、一般名の処方箋だと薬剤師の判断で自由にジェネリックを出せるので、国が後発医薬品推進のためさらにボーナス点を与えたのです。自らは薬を出さないため薬価差益を考える必要はなく、処方箋に一般名を記入するだけでいいのです」(深井氏)
この制度の導入によって一般名を記入する医師が増加。患者数が多ければ多いほどクリニックは儲かる。
「処方箋1枚あたり50円ほどの加算でも、1日の患者が多い人気のクリニックなどでは、『ジェネリック加算』が大きな収入源になります」(深井氏)
多くの医師・薬剤師がジェネリックを推奨する裏にはこうしたカラクリもあるのだ。
※週刊ポスト2021年10月1日号