一見、近所に住んでいそうな普通のおばさまが、“実は狂気を持った面白い人だった”と気付き、人柄が透けて見えるというか。阿佐ヶ谷姉妹では妹の美穂さんがホラー映画などが好きだったりと、姉の江里子さんより変わっています。自由で掴みどころのない美穂さんと礼儀正しい江里子さん。そして、“おばさんだものね”と自虐しつつ否定しない2人を見ていると、歳を重ねても楽しく生きている姿に励まされます。そういった姿勢に自分を重ねるファンが多いのではないでしょうか」
そんな阿佐ヶ谷姉妹だが、ライブには家族や阿佐ヶ谷の近隣住民なども多く訪れるという。前出の著書には、「ひそかな夢は、今住んでいるアパートを姉妹で買い取って、母や独り者の友達とみんなで住むこと」という記述もある。そういった“周りの人と助け合いながら暮らしていこう”とする姿勢も癒しや安心感を生み出しているのかもしれない。
「理想的な暮らし方ではないでしょうか。老後のことなんかを考えると、仲間と助け合いながら生きる昭和のホームドラマのようであり、ほどほどの距離感を保てる生活に憧れる人は多いと思います」(チヒロさん)
生活感と地続きな笑いを届ける阿佐ヶ谷姉妹。どんな令和のホームドラマになるのか、注目が集まる。