「仲間」と「絆」
ヤンキーを語る上で欠かせないのが「仲間」と「絆」だ。
「これもなかなか使わない言葉ですね。現実社会で、ヤンキーと勉強ができる優等生に『仲間を大切にしよう』と先生が言っても、『こんなやつら仲間でも友達でもねえよ』と反発されるだけ。
でもそれは本心ではなく、本当は仲間が欲しいと思っている裏返し。先生としては、何かを乗り越えるためには自分ひとりではなく、仲間の存在が必要ということを教えたいわけです」
「仲間」という言葉は『ごくせん』(日本テレビ系)のヤンクミ(仲間由紀恵)もよく使う。
「ヤンクミは幼い頃に両親を亡くし、任侠の世界に生きる祖父に育てられます。彼女は家族や仲間の大切さを知っているからこそ口にするのでしょう。どんな生徒でも仲間を裏切ったり、見捨てたりするような人間を許そうとはしません。
『ドラゴン桜』(TBS系)の桜木先生(阿部寛)もしかり。ひとりでコツコツと勉強するよりも、仲間と一緒に東大を目指して頑張った方が合格できると説いています。
できないことや不可能に思えることも、仲間がいるから乗り越えられる。生徒同士の結束から始まり、彼らが先生を信じ、先生も一緒になって絆が深まっていく中で、どんな奇跡でも起こせることを信じさせてくれるのです」
「人ってのはな、
ひとりじゃなんもできないんだよ。
だからつるんでるんだよ。
けどな、
だったらどんなことがあったって、
最後まで一緒につるんでろよ。
仲間見捨てたりすんなよ」
(『ごくせん』/山口久美子)
取材・文/廉屋友美乃
※女性セブン2021年10月14日号
イラスト/にゃむ子
