国内

河野太郎氏、広報本部長に“冷遇”で想起される「第二の小池百合子」の道

自民党総裁選に敗れた河野太郎氏(雑誌協会代表取材)

自民党総裁選に敗れた河野太郎氏(雑誌協会代表取材)

 自民党総裁選に勝利した岸田文雄・新総裁のもと、新たな党人事が固まった。岸田氏の選対顧問を務めた甘利明氏が幹事長、総裁選で3位と健闘した高市早苗氏が政調会長に抜擢される中、岸田氏に決選投票で敗れた河野太郎氏は広報本部長への起用が決まった。

 表向きは“ツイッターで243万フォロワーを誇る河野氏の発信力を期待しての起用”とされているが、実際には行政改革担当相・ワクチン担当相から外す“冷遇人事”との見方がもっぱらだ。自民党関係者が語る。

「党の要職とみなされるのは幹事長、政調会長、総務会長に選対委員長を加えた四役まで。広報本部長と言えば党のスポークスマンのように聞こえるが、党の発表や会見はこれまで二階俊博・幹事長や野田聖子・幹事長代行らが行なっており、広報本部長が表に立つ機会は少ない。河野さんの前任者が有村治子さんであることを知っている方がどれだけいるでしょうか」

 この広報本部長という肩書きから、「第二次安倍晋三政権における小池百合子氏に重なって見える」と、全国紙政治部記者は話す。

「安倍さんがかつて小池さんを冷遇するために行なった人事が、広報本部長への起用でした。安倍さんは、第一次安倍政権時代に小池さんを女性初の防衛大臣に抜擢したにもかかわらず、2012年の党総裁選で小池さんが石破茂さん支持に回ったことに激怒した。総裁選後、安倍さんは党役員人事で小池さんを広報本部長に据えました。

 当初、安倍さんは『自民党は変わったということを人事で示し、翌年の参院選における必勝態勢を作った』『これからの日本は、女性の力なくして活力は取り戻せない』と起用の理由を語りましたが、その後2014年9月まで2年近くも小池さんを広報本部長に据え置き、他の要職に就かせることはしなかった。裏切り者である小池さんを干し上げたわけです。

 今回の件は、その時を思い起こさせる。岸田さんというより、人事に強い影響力を持つ安倍さんの意向が働いているのではないでしょうか」

 今後、河野氏が小池氏と同じ道を辿る能性はあるのだろうか。

「初の女性総理を目指していた小池さんは自民党内にいる限界を感じ、党を飛び出して東京都知事選に出馬した。では、河野さんも今後党を飛び出すかと言われれば、現段階では可能性は低い。

 河野さんには、“父・河野洋平さんが最終的に総理になれなかったのは、一度自民党を出てしまったことが影響した”という思いがある。当分は冷や飯を食わされても、我慢して捲土重来を期すしかないという考えではないでしょうか。安倍さんや、同じ麻生派でありながら河野さんと犬猿の関係にある甘利さんからすると、それが分かっているから露骨な冷遇人事ができたとも言える。“出られるもんなら出て行ってみろ”ということです」(同前)

 ほんの数日前まで総裁候補の本命と目されていたのだが……総裁選は天国と地獄である。

小池百合子氏と同じ道を歩むのか(時事通信フォト)

小池百合子氏と同じ道を歩むのか(時事通信フォト)

関連キーワード

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
教員ら10名ほどが集まって結成された”盗撮愛好家グループ”とは──(写真左:時事通信フォト)
〈機会があってうらやましいです〉教師約10人参加の“児童盗撮愛好家グループ”の“鬼畜なやりとり”、教育委員会は「(容疑者は)普通の先生」「こういった類いの不祥事は事前に認知が難しい」
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
麻薬密売容疑でマグダレナ・サドロ被告(30)が逮捕された(「ラブ・アイランド」HPより)
ドバイ拠点・麻薬カルテルの美しすぎるブレイン“バービー”に有罪判決、総額103億円のコカイン密売事件「マトリックス作戦」の攻防《英国史上最大の麻薬事件》
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン