インプラントは一生もつのか?
多くの人は、埋め込んだインプラントは生涯もつものだと考えるようだ。しかし、実際は違う。
別掲の画像は、様々な理由で脱落したり、撤去されたインプラントだ。表面のコーティングが剥がれているインプラントが多い。これは短期間で骨に定着する、という触れ込みで販売されているインプラントだ。
そして今、世界的に深刻な問題が起きていると、小宮山氏は指摘する。
「世界中で問題となっているのが、インプラント周囲炎です。これは歯周病と同様に、進行するとインプラントの周囲の骨が吸収(消失)されてしまい、最悪の場合にはインプラントを撤去しなければなりません。
原因として、歯周病と同じくバクテリア説もありますが、“噛み合わせ時の強い力”が最も影響しているのではないか、と私はみています」
歯を失わないために、最も重要なのが毎日のセルフケア。今回、特別に小宮山氏が自ら実践している方法を教えてもらった。
(1)抗菌性洗口液で1分間うがい
強めにうがいをすることで、歯の表面に付着した汚れを浮かせる効果や、舌と口の筋肉を強化することで、嚥下障害の防止も期待できる。
(2)歯間ブラシとフロス
歯ブラシの毛先が届かない部分をしっかり清掃。
(3)5分間の歯磨き
高濃度フッ素入りペーストを使用。超音波の電動ブラシが望ましい。
(4)舌ブラシ
見逃しがちな舌の上面も清掃。
(5)すすぎうがい
フッ素を残すために、少量の水で軽くすすぐ。
こうしたセルフケアと定期的なクリーニングで、自分の歯をしっかり守ってもらいたい。
レポート/岩澤倫彦(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2021年10月8日号